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©モクモクれん/KADOKAWA・「光が死んだ夏」製作委員会
第12話「居場所」まで視聴済み感想
怪しげな儀式や風習が残る「クビタチ村」を舞台にした「BL風味のホラー」作品。「辻中 佳紀(つじなか よしき)」の幼なじみ「忌堂 光(いんどう ひかる)」は、儀式の途中で事故に遭い山中で死亡してしまう。帰って来た彼は外見だけはそのままに、中身は別人という「人ならざる存在」に変貌していた。
村の成り立ちや「ヒカル」の正体など気になる要素が多い内容だが、今のところメインで描かれたのは「ヨシキ」の内面描写。元々ヨシキは、光に対して友人以上の感情を抱いていたという背景がある。
一番近くで接していたヨシキだからこそ、ヒカルが別人であることを見抜くことができたし、人々に害をなす可能性がある彼を拒む気持ちもある。しかし、掛け替えのない幼なじみと姿形が全く同じなので、そばにいてほしいとも思ってしまっているのだ。
第一期1クールのラストでは、ヒカルはヨシキに迷惑が掛からないように彼の前から姿を消そうとするが、ヨシキが自分の想いをぶつけてヒカルを思い止まらせるという結末を迎えた。最終回まで見ても、謎はほとんど明らかにならないまま終わってしまったという感じ。

さて、感想についてだが今期の中で最も評価に悩んだ作品。期待をかなえてくれた部分もあるが、肩すかし感もかなりあったという印象だ。
まず、ストーリーの進みが遅い! 一応、ところどころで匂わせていたり徐々に村の秘密が明らかになってはいくものの、事態にほとんど変化はなかった。そのせいで全体的にテンポの悪さを感じてしまった。日常シーンはじっくり見せてくれたため、ジワジワと平和が浸食されていく様子は味わえたが、せっかく1クール見続けたので、何かの問題を解決するなり謎が解けるなりのパートはほしかったところ。
ヒカルの正体はおろか、思わせぶりに登場した人物も大して掘り下げられないまま終わってしまったので、結果的にかなりモヤモヤ感が残った。あと、原作もそういう作風なのかもしれないが、肝心なところをボカした言い回しにするせいか、なおさらそう感じてしまったのだろう。
おそらくヨシキの内面にフォーカスしすぎたのも、話の進みが遅い原因。彼はネガティブな性格をしているため悩みや葛藤が多く、それらを描こうとすると必然的に尺もかなり必要になる。

登場人物の気持ちに焦点を当ててくれることに期待したのは事実だが、それは親や友人など周囲の人物が、徐々にヒカルの変化に気づくというハラハラ感につながるもの。本作においてはヨシキの心情が多くのウェイトを占めていたので、彼に感情移入できないとツライものがある。
というか、個人的にはヨシキのヒカルへの態度が微妙に感じたところ。人外であるヒカルを受け入れたかと思えば、拒絶をしてを何度も繰り返していたように見えてしまったからだ。もちろんヨシキは家庭内にも問題を抱えているし彼自身の性格もあるので、そう簡単に割り切れないのは理解できる。ただ、イキナリ刺し殺そうとするくだりは、もはやヤンデレ! そりゃヒカルだって不安定になってしまうだろう。

なお、公式としてはあまり「BL」を押し出していないので、作り手側にそういった意図はないのかもしれないが、主役2人の距離感に関しては間違いなくBLのそれ。ただ、ヨシキが好意を持っていたのは生前の「光」であって、今の「ヒカル」ではない。あくまでも好きだった人間のガワを着た別人なので、今後どういう関わり方になるのかは興味深い。
少年同士のカラミがメインではないため、テイストとしてはあくまでも「BL風味」。ただ、ヨシキの光への感情はかなり重たいものだし、作品としても重要な要素になっているハズなので、人を選ぶのは間違いないと思う。
感想をまとめると、最初のレビューでも書いた通り作画や演出のクオリティは非常に高く一見の価値アリ! ヨシキの内面描写に関しても、思春期ならではの繊細さをていねいに表現してくれたので、そこに共感できる方には刺さるはず。しかし、ストーリーの進みが遅いのが難点! といった具合だ。第二期の製作は決まっているようなので、まとめて視聴したほうがスッキリするということはありそう。






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