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©家田キリゼン/小学館
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
編集者と漫画家のねじれた関係のラブコメディ!
マンガ編集者をしている「佐藤」は自分自身は陰キャでありながら、担当作家がネガティブなコトばかり言ってくるため、仕事中はポジティブに徹していた。
そんな彼が行きつけにしている食堂で、陽キャなギャル店員に遭遇!? いつもは中年の大将が対応しているのだが、休憩中は娘の「ユキ」が店番をしているらしい。
しかも、彼女は佐藤が持っていたマンガ単行本『朝焼けのリバイアサン』を自分も持っていると言い出した。
適当に話を切り上げようとも思ったが、編集者として自分の担当作に真摯であるべきだと考えて、作品に対する熱い想いを口にする佐藤。するとユキは照れたような不思議な表情を浮かべるのだった。
そして店番が終わった彼女は、先ほどの佐藤の言葉を思い出しながらマンガの執筆に取り掛かる。なんと彼女の正体は『朝焼けのリバイアサン』の作者「にぎりこぶし純」だったのだ!
本作は編集者と漫画家のすれ違いを描いた、お仕事系ラブコメ作品!
佐藤とユキはお互いの職業を明かしていない上に、仕事上の面識は一度もない。さらに電話での打ち合わせの際は「ポジティブな編集者」と「ネガティブな漫画家」という間柄。直に会った印象とはかけ離れているため、本人たちは相手の正体に一切気づいていないのだ。
仕事の場では、ポジティブな佐藤にネガティブなユキが励まされ、プライベートな場である食堂では、陰キャな佐藤が陽キャなユキに癒やされるという、ねじれた関係が見どころ!
主役の2人は気づいていないが、読者には丸わかりという構図が非常に面白く、ニヤニヤしながら読んでしまう作品だ。
個人的な推しポイントは、佐藤が「関西弁」を話すところ!
周囲に対するツッコミに芸人的のノリの良さを感じるため、コチラも1つの笑いどころになっている。といっても仕事モードの時は標準語かつていねい語なので、電話先のユキが気づかないという設定に一役買っている点もお見事。
ちなみに佐藤は編集者だけあって感想を言うのが上手く、ユキが作る料理を的確にホメて、マンガ制作で落ちかけていた彼女の自信を意図せず回復させることもある。お互いを癒やしの対象と認識しているため、プレイベートでは一緒に映画鑑賞に行くという一幕も!
お互いの正体を知らずに最後まで行ってほしい気もするし、途中で片方が気づいてしまいギクシャクするという展開を見てみたくもあるという感じ。
コメディ色の強い内容なので、肩の力を抜いて気軽に読める作品をお探しの方にオススメだ!
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