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©裕夢/小学館/チラムネ製作委員会
第1話「春、見上げるおぼろ月」~第3話「ひとりぼっちのヒーロー」感想
通称『チラムネ』。原作はライトノベルだが、未読なので完全初見。つまりアニメのみの感想になる。
まず結論から申し上げると、視聴するのがかなりキツかった。つまらなかったのではなく、自分の感性に合わなかったという意味。基本的に批判が多めの記事になってしまうので、本作のファンという方は、あらかじめその点をご了承いただければと思う。
構成としては「よかった点」、「微妙だった点」、「合わなかった点」の3つに分けて説明する。2番目と3番目は同じでは? と思われそうだが、違いは客観性の有無。個人の主観は入れずに客観的に見て微妙だと感じた部分と、主観的に判断して合わなかった部分を分けたという具合。

よかった点
作画は比較的安定していたと思う。ヒロインたちもみんなかわいく、キャラクターの見た目については好印象。色使いも全体的に明るい雰囲気で、タイトルから感じるさわやかなイメージと一致していた。キャストについては原作を知らないので、合う合わないは判断できないが、芝居に難アリという方はいなかったハズ。
微妙だった点
第1話から登場人物を出し過ぎており、各キャラクターを把握しきれなかった。それもそのハズで、物語は主人公の「千歳 朔(ちとせ さく)」が高校2年生に進級するところから始まる。人間関係が出来上がった状態から始まるため、初見の人間にとっては置いてきぼり感があった。主人公がフルネームで呼ばれることが多かったので彼の氏名は覚えたが、それ以外の人間は印象に残っていない。

合わなかった点
作中の価値観、セリフのワードチョイス、キャラクターの考え方など多岐にわたる。ぶっちゃけた話、全体的に合わなかった。世の中で酷評され気味な作品でも割と楽しめていた自分としては、初めての経験でかなり驚いた。
本作はスクールトップに君臨する「千歳 朔」という少年が、自分に求められる役割をはたすべく奮闘する物語。彼をうとましく思う人物もいるが、仲間たちに囲まれゴキゲンな日々を送っていた。いわゆる「リア充」が主人公という珍しいタイプの作品だ。
序盤の「チーム千歳」の掛け合いだけでも嫌な予感がただよっていたが、担任の教師から引きこもりのクラスメイト「山崎 健太(やまざき けんた)」の説得を頼まれたあたりから、本格的にキツくなってきた。
まず、朔の言動がイチイチ独善的。一応、健太に歩み寄ろうとしたり、自分に落ち度を認めた場合は頭を下げたりするものの、終始自分のやり方で物事を進めようとする。さらに、俺が導いてやろうという上から目線感がヒシヒシと感じるため、どうしても好きになれない。また、つき合ってもいない女友達に微妙な下ネタを振るのも謎。コイツ本当にリア充か? 話し下手すぎだろっ!
そんな彼を全面的に肯定する、美少女軍団も理解に苦しむ。俺TUEEEからのハーレム展開は異世界モノでさんざん味わってきたが、現代劇でやられるとたいぶ印象が違う。ひょっとしてコレは「催眠モノ」だったりするのか?
そして健太が登場した時に、ようやく感情移入できるキャラが出てきてくれたかと思ったが、あっさり朔の信奉者になり彼を「神」と呼ぶ始末。オマエは『DEATH NOTE』の魅上かよ?

朔に舌打ちをかましていた「上村 亜十夢(うえむら あとむ)」であれば、私と同じ気持ちなのではと期待したが、朔とつるむようになった健太にからんで「千歳にくだらねぇ手間掛けさせんじゃねぇ」と言い出した。ちょっと何言っているかわからない。イヤ、言ってる意味はわかるよ? でも、どういう理屈よソレ……。実は朔や健太を思っての行為だとしても、言葉足らずな上に乱暴すぎる。おおよそ進学校に通う人間の行動とは思えない。
子供だけでなく、大人たちの行動にも疑問が残る。たとえば息子の部屋の窓ガラスの破壊を許可する「健太の母」や、不登校生徒の対処というデリケートな問題の対応を一生徒である朔に一任する「担任教師」など。
一事が万事こんな感じで、共感できる登場人物が皆無だった……。

まとめ
序盤から違和感を感じながら視聴しており、1話がやたらと長く感じるなぁと思っていたら、1話目が「34分」でフツーに拡大版だったというオチ! ちなみにそのあとの「15分」は、出演されている女性声優2名が作品の舞台である福井市を聖地巡礼しているロケ動画。ご当地グルメを紹介しており、そちらは結構楽しめた。
なお「千歳 朔」については過去に何らかの問題に直面し、そのせいで今のような考え方になったのだと予想できる。ただ、回りくどい言い回しや心情描写から察するに、彼は「リア充」ではあるかもしれないが、決して「陽キャ」でないというのが私の解釈。むしろ「陰キャ」が必死になって、陽キャを演じているように見えた。そこに感情移入できる方もいるのかもしれないが、私には無理だったという感じ。

しかし、原作は「このライトノベルがすごい!」文庫部門では2021年版から2年連続1位を獲得し、2023年版でも2位を獲得して殿堂入りまではたしている作品。多くの方に評価されているのは間違いないので、本作のどのあたりが評価されているのか、それを自分なりに理解したいという思いはある。少なくとも「山崎 健太」関連のエピソードが決着つくまでは視聴を継続する予定だ。
ただ、最後まで見たところで、本作の魅力を最後まで理解できないという可能性もある。上記の賞については、数多くライトノベルを読んできた方々が投票するもの。その点、私はその手の作品をほとんど読んでこなかった。判断する価値基準が大幅に異なっていれば、いくら良さを見出そうとしても無理だろう。


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