【アニメ】『葬送のフリーレン』 #7 おとぎ話のようなもの レビュー

アニメ

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

​※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。

▼アニメ『葬送のフリーレン』公式サイト
https://frieren-anime.jp/


『#7 おとぎ話のようなもの』感想


今回は「原作2巻」の「第13話 解放祭」から
「第15話 ドラート」の途中までの2.5話分
前編に関しては一話完結型のエピソードで、
後編から「断頭台のアウラ編」が始まるという構成。
冒頭は過去回想からスタート。
大魔法使い・フランメの魔導書について語らう、
勇者パーティーの面々を描いている。
偽物の魔導書だとわかっていながら、
それを手に入れて満足するフリーレン
この一連のシーンを見る限り、
彼女にとってそれが本物かどうかという点は、
さして重要ではないのかもしれない。
自分にとって大切な師匠の名が記載されており、
フランメとの思い出が連想されるような物であれば、
手に入れたいということなのだろう。
彼女のことを直接知っているのは、
自分だけなのでなおさらだとは思う。
それはそうとして、この討伐依頼を一緒にこなす
仲間たちも結構やさしいと思う。
ようするに偽物である可能性が高い報酬なのに、
フリーレンにつき合ってくれたわけだから。
その後、さびしそうにつぶやくフリーレンを
気づかうようなヒンメルが描かれる。
原作では彼女に視線を向けるようなそぶりだったが、
アニメでは目はあえて描かずに、
口の微妙な開き具合でなんとも言えない感情を表現していた。
場面は切り替わり舞台は現代へ。
すでに朝食の支度をしている若者たちよりも
遅く起きたくせに早起きしたと言われるフリーレン。
フェルンの驚き方にガチ感があって面白い。
あと、まんざらでもないフリーレンがポイント。
続いて街道の土砂を片付けるシーン。
話の流れ的にフェルンよりも
シュタルクのほうが1~2歳年上、
という認識で合っているだろうか?
前回の感想でも書いたが、
​フェルン​は同年代と過ごした経験がないせいで、
人間関係の距離感のつめかたが欠落している。
いわゆる「0か100か」の女性なわけだ。
シュタルクが傷つきやすいのではなく、
どちらかと言えば彼女のほうこそ面倒くさいタイプ。
むしろ自分のナニかを「ちっさ」と言ってくる、
年下女性と旅をできる彼は、ある意味では勇者だろう。
勇者・ヒンメルたちの功績を称える解放祭に参加。
普通の人間たちにとっては、
はるか昔の「おとぎ話同然」の出来事だが、
この日だけはフリーレン以外の人たちも、
ヒンメルたちの存在を思い出してくれる。
つまり、フリーレンが一人ぼっちにならずにすんだというわけだ。
10分に満たない尺で、ここまで過不足なくまとめたのは見事というほかない。
ここから先が「断頭台のアウラ編」が開始。
グラナト伯爵領へ立ち入る一行。
街中で魔族の存在を認識した瞬間に、
攻撃態勢に入るフリーレン。
だが、現在この街は魔族との和睦の交渉中ということで、
彼女は牢に捕らえられてしまうのだった。
非常にどうでもいいことだが、
衛兵に抱えられながら連行されるフリーレンが、
イタズラした猫のようでかわいかった。
なぜ魔族に対してフリーレンが、
徹底的に戦う姿勢を崩さないかというのは、
回想で描かれることになる。
人は言葉が通じると理解し合えると考えてしまうが、
魔族にとっては人を欺くための手段でしかないという、
種族としての明確な違いが描かれることになったエピソード。
なお、牢屋の面会のあと「差し入れよろしくね」と
言ったフリーレンに対してシュタルクは振り返っていたが、
フェルンのほうはそのまま歩みを進めていた。
聞こえなかったというよりは、
意図的に無視していたように見えたので、
ちょっと怒っていたのかもしれない。
和睦の使者代表であるリュグナーが、
フリーレンを警戒していたせいか、
彼女を暗殺するために、
リュグナーの部下である​ドラート​
牢屋へとやって来たところで今回は終了。
不測の事態にもかかわらず、
冷静に問答をするフリーレンが格好良かった。
本格的なバトルは次回に持ち越しなので、
楽しみに待ちたいところだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました