
©GoHands/松竹・もめんたりー・リリィ製作委員会
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
第13話「みんながいる〆のお茶漬けバイキング」感想
「霞 れんげ(かすみ れんげ)」の尊い犠牲により「バロール」の撃破に成功する。しかし、増援で呼ばれていた「ワイルドハンド」が想定していたよりも多く、苦戦を強いられる残された4人。
そこへ「れんげ」が使用していた「ティルフィング」が飛来。彼女の遺志を継いで、チーム「えみゅー」のために戦ってくれるらしい。「高台寺 えりか(こうだいじ えりか)」が右手に自分の盾「ミズガルズ」を、そして左手に「ティルフィング」を装備することになる。
彼女は右利きだった気がするが、慣れ親しんだ盾をメインで使うという感じだろうか?
場面は変わり、しばらく時間が経過した「しろとん」のコロニーが描かれる。
チーム「えみゅー」の活躍により周辺のワイルドハントは一掃、以前よりも人が集まるようになった。畑が拡張できたので食糧事情が改善され、病弱だった「しらゆき ねりね」の体調も良くなったとのこと。
なお、チーム「えみゅー」のオリジナルはここで暮らしているが、コピーだった4人は理由があって旅立って行ったらしい。
その目的とは、ワイルドハントの残党を退治することと、「れんげ」がやりたがっていたことを代わりにやるということ。
彼女たちは「おにぎり好き好き」のアカウントを引き継いで、SNSを更新しつつ各地で「かっぽー」を共有する活動をしているのだ。
それを見た1人の少女が「おにぎり好き好き」の訪ねて来て、「えみゅー」の面々が温かく迎える、というところで物語の幕は閉じるのだった。
この少女については、第1話の「れんげ」をほうふつとさせる登場だったのが印象的。
ちなみに第13話のエンディングについては特殊演出なので、飛ばさずに視聴するのをおすすめする。
そして驚くべきことに第13話で終わりではなく、引き続き第14話が始まってしまった! なんと最終回は一気に2話で配信していたらしい。
第14話「続いていく割烹、割烹!」感想
内容としては第13話の続きではなく、過去の振り返りといった感じ。ハッキリと描かれていなかった部分の補完をしてくれたニュアンスだ。
まず「霞 れんげ(かすみ れんげ)(オリジナル)」と「しらゆき ねりね(コピー)」が2人で廃墟を徘徊していた頃を描いており、なぜ「れんげ」が「かっぽー」という言葉を使っていたのか、その理由が判明する。
続いて「バロール」戦のあと、チーム「えみゅー」の面々が「霞 すずらん(かすみ すずらん)」を連れて、「れんげ」の墓参りに行く話。
彼女はお墓はコピーのお墓の隣に作ってあげたらしい。つくづく登場人物が墓を作ることが多いアニメである。
そして「すずらん」からしてみれば、姉を2度失ったことになるわけで不憫でならない。
コロニーに戻ったチーム「えみゅー」は「かっぽー」をしようと提案するが、誰も彼もが料理の基礎を知らずにいたため、見るに見かねた「すずらん」がその場を仕切ることになる。彼女は以前「れんげ」に料理を教わっていたらしく、姉ほどではないにしてもそこそこの腕前らしい。
その後、チーム「えみゅー」の4人はコロニーをあとにして、第13話の終盤につながるという流れだ。
1クール(全14話)視聴した上での感想
よかった点としては、アニメオリジナル作品ということで、先の展開が読めなかったところ。
私はできるだけ下調べをしないように視聴するスタンスだが、原作アリの作品だと思わぬところでネタバレを踏んでしまうこともある。そういった目に合わずに、すべてのエピソードを初見で楽しめたということだけでも、かなり新鮮だった。
一部、疑問が残るところや想定内で驚きが少なかった部分もあるが、物語としてまとまっていた点も評価している。
キャラクターだけでなく背景も美しく作画クオリティは安定していたが、光源などのエフェクトが多用されていた点は気になる。他作品との差別化という意味では個人的にアリ派だが、人によっては過剰だと感じてしまう可能性もあるだろう。
登場人物については、口癖などキャラ付けがかなり独特のため好みがハッキリ分かれる部分。誰が話しているのか一瞬で判別できるというメリットもあるし、慣れて来ればそれほど気にならなかったが、リアルとはかけ離れているため受け入れられない方がいても不思議ではない。
私自身もキャラデザは好みだったが、この点のせいで感情移入しづらかったところがある。シリアスなシーンでも個性的な口調でしゃべるため、どういうテンションで見ればいいのかわからず戸惑ってしまったという感じだ。
内容について気になった点はそれなりにある。
まず、男性キャラクターが一切登場しなかったところ。女性だけが登場する作品を作りたいというコンセプトであれば、それはそれで構わないのだが、意図的に男性を出さずにいた割にその件について本編では一切触れられていなかった気がする。
そのせいか、生き残りが女性だけではいずれ人類は滅んでしまうのでは? という余計なことまで考えてしまった。
ほかにも生き残った家族や友人たちがコピーの存在を知った時の反応など、個人的に気になったところがスルーされていた印象。
また、本作をバトルモノとして見た場合、敵役のワイルドハントにあまり魅力がないのもネック。どれもこれも似たようなデザインでピンと来なかった。
自我やセリフが無いのは設定から仕方ないにしても、敵としての存在感はもう少しほしいところ。美少女のカッコイイ戦闘シーンをメインにするため、あえてこういったデザインにしているのかもしれないが、VR空間での戦闘を見ているような気分になった。
戦闘アクションそのものは良かったが、盛り上がりに欠けたという感じだろうか?
ただ、これらの部分は私が気になる部分と制作側の意図がマッチしていなかっただけなので、あくまでも一個人の意見だとご理解いただきたい。
色々と批判的なことも書いたが、映像からただよう空気感は唯一無二なので、その点は期待しても間違いないと思う。
本作シリーズレビュー
▼もめんたりー・リリィ~卒業までにしたい100のこと~ 第1話 – マンガUP!
https://www.manga-up.com/titles/1322
※スピンオフのコミカライズ作品。
キャラクターは同一だが世界観は異なる模様。
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