
©実樹ぶきみ(秋田書店)/SHY製作委員会
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
『第9話 混戦、震える指先』感想
シャイ&スピリッツ対ツィベタ&クフフの
本格的なバトルが開始。
戦闘開始前にツィベタが孤児院周辺を不思議な空間で包み込むのだが、
その際、彼女が「私の心の中『アマラリルク』」と言っていたので、
組織の名前であると同時に心象世界を指す言葉なのかもしれない。
クフフの相手を笑わせようとしながら
繰り出される攻撃に動揺してしまうシャイ。
ギャグテイストの描写も多いが、
シャイに対してはやたらと蹴り技が多く、
フツーにエグイ攻撃を多用していた印象。
一方、スピリッツのほうは
周囲の状況を観察しながらも、
敵に攻撃を加えることもできており、
シャイよりも実戦経験が豊富な様子がうかがえる。
ひとまず孤児院の面々を安全な場所に避難させようと、
みんなを連れてスピリッツが空間の外を目指すが、
元いた場所へ戻ってきてしまう。
どうやらこの空間は外界から隔絶されているようで、
外に出ることは不可能らしい。
戦闘中に放ったツィベタの言葉が印象的。
「人の心は『世界』『感情』『記憶』という
3つの要素で出来ている」というもの。
世界は孤児院。感情はツィベタ自身。
しかし記憶だけが欠けているとのこと。
記憶を取り戻すことができれば、自分の心が完成するらしい。
『アマラリルク』のメンバーは誰も彼もが、
何かが欠けていそうなイメージがあるので、
このあたりに彼らの正体をつかむカギがありそう。
ツィベタが自分の心を流し込まれたことで、
孤児院の人々は操られてしまう。
自分の大事な人たちが巻き込まれたことで、
怒りをあらわにしたスピリッツが、ツィベタへと攻撃を仕掛ける。
だが、これはスピリッツをわざと怒らせて、
彼女の心の力を吸収するという、ツィベタの作戦だったようだ。
心がつながったことで、お互いの記憶が交わる2人。
第2話の小石川 惟子のトラウマを
シャイがのぞいてしまったようなものに近いのだろう。
本人しか知りえない幼少期の記憶も描かれていたので、
ツィベタの正体はペペシャの母親ということで間違いないと思う。
ただ、なぜ亡くなってしまったのか?
どうしてツィベタとして、
ペペシャの前に立ちはだかっているか?
などは今のところ不明。
ダイジェスト的に流れた映像から察するに、
外の世界に希望を求めて孤児院から旅だったものの、
シングルマザーになってしまい、苦労を重ねていたという感じだ。
母と娘でそれなりに幸せな日々を送っていたが、
おそらくはなんらかの事件があって
死に別れてしまった、という展開になるのだと思う。
バトルの決着やツィベタの過去などは、
次回描かれると思うので楽しみではあるが、
なかなかハードなエピソードになりそうな予感。
本作についてはバランス面が秀逸なので、
それなりにハッピーかつキレイなオチで
まとめてくれるのを期待している。
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