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©Kyosuke Ito 2025
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
ヒロインそっくりのお嬢様とマンガの感想を語り合う!?
『恋マヴ☆』というマンガにドハマりしている「高橋 一(たかはし はじめ)」。彼は作品に登場する学校がモデルになっている理由で、進学先を決めるほどのオタクだった。
入学式の2時間も前に登校して、誰もいない校内で聖地巡礼をしている時に1人の少女と出会う。
彼女が『恋マヴ☆』のヒロインに似ていることもあって、テンションが上がりマンガについてまくし立てる一(はじめ)。相手の冷めた反応に我に返りその場を立ち去るが、となりの席に座るクラスメイトとして再会してしまう。
少女の名前は「黒川 弥生(くろかわ やよい)」。財閥会長の孫娘でお金持ちというだけでなく、文武両道、才色兼備としても知られる超絶お嬢様だと判明!?
そんな相手に関わってしまいどうなるのか? と不安に感じていたところ、弥生にひと気の無い資料室に連れ込まれるが、彼女が口にしたのは「『恋マヴ☆』を見せてほしい」というものだった。
高尚な趣味しか好まないお嬢様像を周囲から求められるため、弥生はマンガを読んだことがない。そこへ『恋マヴ☆』について楽しそうに話す一(はじめ)が現れたことで、マンガに興味を持ったらしい。
周囲にオタクであることがバレたくない少年と、マンガに興味津々なお嬢様の秘密の関係が始まる!
本作は学園モノのラブコメ作品。冴えないオタクとお嬢様ということで、組み合わせとしてはよくあるパターンだが、ヒロインの「黒川 弥生(くろかわ やよい)」が今時珍しいタイプの箱入り娘。
黒髪ロングという清楚なルックスに加えて、マンガのライトなエッチ描写にも免疫が無いという純粋な性格のため、逆に新鮮さを感じてしまったところ。
弥生はクラスメイトから話し掛けられることは多いが、あくまでもお嬢様として扱われるので、彼女自身も猫をかぶって対応しており固い表情をしている。
一方、一(はじめ)とは『恋マヴ☆』の感想を言い合う間柄。同じマンガのファン同士なので素の弥生として接してくれるのだ。
素直な笑顔や動揺してテレた表情など、普段は見せない顔を主人公にだけ見せてくれるという部分が見どころになっている。
恋愛経験や知識が無いヒロインなので、男女関係の発展に時間が掛かりそう。ただ、主人公に特別感を抱いているのは見え隠れしていたので、本人たちの自覚次第でグッと距離が縮まりそうな気はしている。
気になっているのは、登場人物の少なさ。1巻の時点で名前ありの登場人物は一(はじめ)と弥生のみ。つまり、ほぼ主役2人だけで物語が構成されていた。
エピソード的に成立していたし普通に楽しめたので、今のところ問題は感じていないが、主役2人が比較的大人しめなキャラクターなので、シナリオにメリハリをつけないとマンネリ化しそうな懸念がある。
あと、弥生がことごとく『恋マヴ☆』のヒロイン「赤坂 葵(あかさか あおい)」とダブるのは何かの伏線だったりするのだろうか? 見た目だけなら偶然の一致で片付けられるが、セリフまで重なるのはかなりレア。
このあたりをどう決着つけるのかも注目していきたい!
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