
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
©江口夏実・講談社/出禁のモグラ製作委員会
第12話「梅雨の中にて」まで視聴済み感想
今期アニメ作品の中で、1~2を争うぐらいに主人公が気に入った作品。概要に関しては第1話時点でのレビューを参考にしていただければと思う。
あの世から出禁をくらっている「モグラ」こと「百暗 桃弓木(もぐら ももゆき)」が、霊にまつわる問題を解決していくという物語だ。非現実的な出来事を描きつつも、ベースにあるのは現代に生きる人間たちの悩みや葛藤。我々にとって身近な問題を取り扱っているため、事件の当事者に共感してしまうような多い。
最初はコメディ寄りという印象を持ったが、シリアスな要素もそこそこある。同作者の前作『鬼灯の冷徹(ほおずきのれいてつ)』は、あの世の出来事を描いた内容。ある意味で完全フィクションとして割り切って見られた反面、本作では妙な生々しさがただよっているのが特徴だ。

物語としてはモグラの正体も見どころの1つ。彼は得体の知れない青年だが、人命を救うためには自分が損することもいとわないナイスガイ。人外であることは序盤からわかっていたが、最終回でその正体が「元神様」であることが判明した。ただ、過去に何をしでかして今の境遇に陥ってしまったのかは伏せられているので、そこが今後のストーリーの引きになるのだと思う。
モグラ以外の登場人物も一癖も二癖もあり、かなり個性的。デザイン的には動物キャラクターがツボで、レッサーパンダの霊「マギーくん」や化け猫の「ナベシマ」と「イケブクロ」には、何とも言えない絶妙なかわいさがあった。

個人的にハマった作品だが、万人にオススメできるかと言えば微妙なところ。まず、会話劇がメインになるためセリフ量がとにかく多い。事件のあらましや逸話を説明する中に細かいギャグやツッコミも入れ込んでいるので、ボーっとしていると聞き逃してしまうし、内容が頭に入ってこないということもありそう。100%楽しもうとすれば、かなり集中して視聴する必要はあるだろう。
文章量はさらに多くなるが、自分のペースで読めるという意味では原作もオススメ。作者の個性がいかんなく発揮された演出は一見の価値アリなので、興味がある方は「マガポケ」とチェックしてみてほしい。とはいえ、映像化するにあたり見やすくスマートにされていたのは間違いないので、見事なアニメ化だったという結論だ。




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