【アニメ】『葬送のフリーレン』 第16話 長寿友達 感想

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©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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『#16 長寿友達』感想


今回は「原作4巻」「第33話 フォル爺」から「第34話 英雄の像」までの2話分。
前半はフリーレンの長寿友達フォル爺との交流を、
後半ではザインの幼なじみ戦士ゴリラについての情報収集を描く。

冒頭でのザインとゴリラの描写に関しては原作にないシーン。
幼き日の2人がとても美しく描かれており、
ザインがこの思い出を大切に感じている様子が強く感じられた。

「10年くらい滞在しちゃおうかしら……」
というフリーレンのセリフが、語尾が珍しくてツボだった。
ツッコミ待ちのボケで言っているように見えなくもない。

道中、丸太橋から降りるフェルン
手を差し伸べるシュタルクに注目。
素直に応えるフェルンとその後に、
仲良く語り合いながら歩く2人が微笑ましい。
今回はこの2人メインではないものの、
以前よりも関係が深まっているのが感じられるいいシーン。


フォル爺との日々はほぼダイジェストで流れるが、
うれしそうに話すフリーレンの姿が印象的。
彼女はそれほど口数が多いタイプではないと思っていたが、
それは同じ価値観や思い出話を共有できる人間がいなかっただけで、
本来は話好きの女性なのかもしれない。

戦いにおいて相手の油断のスキを突く
というスタンスも似たところがあるし、
フォル爺とフリーレンは考え方が近いのだろう。

ちなみに修行によってヘトヘトになったシュタルクを、
ザインがおぶってあげるシーンが個人的に結構気に入っている。
フォル爺から「勇者について覚えているか?」と問い掛けられて、
フリーレンが少々ムキになっていたのが興味深い。

彼女が感情をあらわにするのも珍しいが、
ヒンメルは人間を知ろうとしたきっかけであり、
フォル爺が村を守ろうとしたきっかけと同じく、
大切なことだと言ったのだ。

妻との約束を守り続ける男と、
ヒンメルをきっかけにした自分を、
ほぼ同列に語ったことになる。
ここまで強い想いを元にして自分の行動を決めているのだとしたら、
普通に考えて「愛」という感情以外で形容できない。

フリーレンは「愛」という感情を知識としては知っているが、
体感としては理解できていないのかもしれない。


後半は戦士ゴリラと僧侶アゴヒゲの、名前の由来についてのエピソード。
「この話題続けるんですか?」とフェルンは言っていたが、
男はこういう意味不明なバカ話が大好きなのである。

かつては男3人と旅をしていたフリーレンが食いついてくれたのは納得だ。
イヤ、ただ単にフリーレンの精神年齢が低いせいという可能性もあるか……?

頑固婆さんのラストミッションは、
はるか昔に世界を救ったとされる英雄の像の掃除。

それは僧侶と戦士2人1組の石像で、
僧侶のほうは名前もわからないが、
戦士のほうは修行僧(モンク)のクラフト

詳しいことは判明していないが、石像が作られているぐらいなので、
過去に勇者ヒンメル並みの偉業を成し遂げたことは間違いなさそう。

当時のクラフトは剣を持って戦っていたのだろうが、
その後、何らかの心境の変化があり、
女神への信仰に目覚めたため、
現在は剣を捨てて修行僧になっているのだろう。


そして頑固婆さんから聞いた、
戦士ゴリラの行き先はテューア。
フリーレンの目的地である、
オイサ―ストとは反対方向になる。

情報を得たザインの表情がくもっていることに、
フリーレンが真っ先に気づいていた様子。
彼女に変化した自覚はないかもしれないが、
フォル爺とのやり取りといい、
ずいぶん周囲の人間の心理を察せられるようになっていると思う。

今年の放送は今回で最後のようなので、
ザインの決断に関しては来年に持ち越しということになる。
なお、2クール目に関しては初回はともかくとして、
オイサ―ストに到着してからはかなりの長編になってしまう。
基本的に毎週視聴は続けると思うが、
感想に関しては頻度を落として公開するかもしれない。

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