【アニメ】『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』第12話 レビュー

アニメ

©餅月望・TOブックス/ティアムーン帝国物語製作委員会2023

※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。


第12話『大事に育ててきたものを枯らさないために』感想


久しぶりに和やかな雰囲気で会話をするミーアアベル王子
ミーアが年上らしくリードしようとするも、
意識しすぎて上手くいかないところはなかなかキュートだ。

そこへキースウッドから事情を聞いた、
アベル王子が謝罪にやって来る。

結論として一連の政治不安に関しては、
サンクランド王国の諜報機関、風鴉(かざがらす)
一部が暴走して起こしていたことらしい。

その後、民衆の味方をしていたダサエフ・ドノヴァンを救出し、
黒幕であるジェムを捕らえることにも成功。

ミーアの計らいにより革命軍もおとがめなしで、
事態は丸く収まるのだった。


ほぼ予想通りの展開ではあるので納得はできたが、
説明不足を感じてしまったのは否めない。
まず、キースウッドがどこからその情報を入手したのか?

これはレムノ王国のメイドに扮していた、
モニカという女性のおかげなのだろう。

彼女には上司であるグレアムの指令とは別に、
真相について報告していた相手がいた。
それがキースウッドと考えるのが自然ではある。

だとすれば彼の役職は風鴉のトップということなのか?
キースウッドの素性に関してはほとんど描かれなかったので、
なんとなくそうなのだろうという推測でしか判断がつかないため、
今一つ不明瞭に感じてしまった部分。

せめてモニカとキースウッドが会話をする回想でも入れてくれれば、
関係性や立場などもハッキリしたと思う。


また、黒幕であるジェムについてもわからない部分が多い。
彼は以前の時間軸ではティアムーン帝国を、
今回はレムノ王国を標的としていたわけだが、
それだけでなく最終的には、
あらゆる国家の連鎖的な崩壊を企てていたと判明する。

ようするにジェムの行動は愛国心から来る暴走などではなく、
世界を混沌に陥れるために動いていたということだ。

しかもそれを「私の」ではなく「我ら」の悲願と言っていた。
つまり何らかの組織の一員である可能性が高く、
何か大きな目的のために暗躍していた人物だと想像できるが、
こちらに関しても明かされることはなかった。

アニメではジェムを捕らえたところで決着をつけたが、
原作では絆を深めた仲間たちと共に、
巨悪へ立ち向かうという続きの物語が描かれるのかもしれない。
原作未読なので想像でしかないが……。


最後に全12話を視聴した上での感想について。

自国の問題を解決するだけでは、
主人公が処刑されてしまう結末は回避できず、
何者かの悪意によるものだったという展開は、
意外性があってよかったと思う。

ミーア自身にも変化や成長が見られたし、
ストーリー的にも区切りのよいところで、
ハッピーエンドとして終わらせてくれた点は非常にありがたい。


ただ、1クールで描くには登場人物やイベントが多すぎる印象。
そのせいか掘り下げやエピソードが薄い部分もあり、
一部ダイジェスト的に進めているように見えてしまった。

原作ありきの作品として考えれば仕方ない面もあるし、
キレイにまとまっているほうだと思うが、
疑問や物足りなさを感じてしまったのも事実。

主題歌をはじめキャラクターや声優は好みだったし、
コメディ満載で十分に楽しめたが、
欲を言えばもう少し説明がほしかった。
これから本作の視聴する方は細かい部分は気にせずに、
カワイイ姫が奮闘するギャグ作品と割り切って見るのが一番だと思う。​

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