【アニメ】『シャングリラ・フロンティア』第13話 レビュー

アニメ

 

©硬梨菜・不二涼介・講談社/「シャングリラ・フロンティア」製作委員会・MBS


※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。


『第13話 未練だけがそこにいる』感想


サンラクオイカッツォペンシルゴンの案内により、
『千紫万紅の樹海窟(せんしばんこう の じゅかいくつ)』の、
隠し通路を進んでいく。

3人は彼岸花が咲き乱れる場所で、
幽霊のような存在であるユニークNPC『遠き日のセツナ』と会い、
正式にユニークシナリオEX「此岸より彼岸へ愛を込めて」が、
開始されることになる。

『墓守のウェザエモン』はセツナの恋人であり、
先に亡くなった彼女の墓を守り続けているらしい。
セツナとしてはウェザエモンが
過去に縛られ続けている状況に耐えられないので、
眠らせてほしいと願っていたのだ。

なお、サンラクとオイカッツォいわく
ペンシルゴンがゲームのNPSに親身になるのは、
非常に珍しいこと。

なぜ彼女ここまで感情移入しているかといえば、
他人事に思えなかったと本人も言っている通り、
ペンシルゴンの現実での姿が関係している。


ペンシルゴンの本名は天音永遠(あまね とわ)
現時点では楽郎の想像でしかないが、
刹那主義の「永遠」と永久を過ごした「セツナ」。
自分と対比的なキャラクターに、
何かを感じていたということらしい。

というか、ペンシルゴンの正体を楽郎が把握していた点は意外だった。
てっきりゲーム内だけでのつながりだと思っていたが、
彼らはオフラインでも会ったことがあるのかもしれない。

ペンシルゴンの人間性が少し見えたが、
『遠き日のセツナ』自身も気になるキャラクター。
彼女の口ぶりから察するに、
エムルの父、ヴァイスアッシュや、
『夜襲のリュカオーン』と旧知の仲なのは間違いない。

しかも、プログラムという言葉を使っていたことから、
ゲーム内の登場人物でありながら、
この世界をゲームだと認識している可能性がある。

『シャンフロ』自体に秘密があり、
徐々に明かされていくという展開になりそう。
そして改めて打倒ウェザモンを誓う3人。

舞台は久しぶりに現実に戻り、
ここでようやく主人公の家族構成が判明。



​陽務楽郎(ひづとめ らくろう)​

主人公。クソゲーマニア。
​陽務瑠美(ひづとめ るみ)​
楽郎の妹。ファッションガチ勢。
​陽務永華(ひづとめ えいか)​
楽郎の母。虫マニア。
​陽務仙次(ひづとめ せんじ)​
楽郎の父。三度の飯より釣りが好き。


陽務家には日曜日の朝晩は家族そろって
食事をするというあるルールがある。
それぞれが趣味に没頭してしまう性格なので、
こうでもしないと顔を合わせる機会が
失われてしまうからという理由らしい。

家の規模や生活レベルを見る限り、
陽務家はそれなりに裕福な家庭なのだろう。
私としては主人公の背景がわかっていたほうが、
物語に感情移入できるので、こういった描写は歓迎。

というか、なぜ今まで描かれなかったのかが逆に謎ではある。
現代の視聴者や読者というのは、
主人公の人物像にあまり興味がないのだろうか?


楽郎は『墓守のウェザエモン』対策の一環として、
以前登場したVR格闘ゲーム『ベルセルク・オンライン・パッション』
プレイすることにした。
ゲーム内で新規プレイヤーと出会い手合わせをするという展開になる。

この人物とは後々『シャンフロ』内で再会する気がする。
私はそこまでゲームに詳しくないので、
ジャンルの異なるゲームが、
ほかのゲームの対策になるという理屈に関しては疑問。

音ゲーが得意な知人が別の音ゲーをやりながらのほうが、
上達が早い気がすると言っていたので、
あながち間違いではないのかもしれない。


さて、今年最後の放送回のようなので、
1クール13話を通しての感想を書いておこうと思う。

結論から言えば、完成度は高いと感じたが、
私が夢中になれる作品ではなかった。
こう書くと否定的に聞こえるかもしれないが、
決してネガティブな印象を抱いているわけではない。
楽しんで視聴していたのは間違いないし、
おそらく2クール目も見るとは思う。

ただ、陽務楽郎(サンラク)という主人公の人間性がつかみきれず、
感情移入がしづらかったため、個人的にハマれなかったのだと思う。

例えば人間には「喜怒哀楽」という感情があるわけだが、
作中、楽郎は終始ゲームを楽しんでいるため、
「喜」と「楽」しか感じられないキャラクターに見えてしまったのだ。

必ずしも人間の負の感情が見たいというワケでないが、
高校生という彼の年相応の面も見てみたかったという感じ。
あくまで私個人の好みの問題だとご理解いただきたい。


陽務楽郎(サンラク)という主人公に対しては、
嫌いな部分が一切無い代わりに、
​ココだけは強烈に好きという部分もない​というのが、
今のところの印象である。

逆にネガティブな面を見せないの主人公ほうが好み、
という方には視聴をオススメできる。

性格面という部分について言及すると、
サンラク、オイカッツォ、ペンシルゴンの3人も、
キャラクター的に似すぎているのでは?と感じている。

ちなみにビジュアル面ではなく中身の話。
同じようなゲームを好む同士なので、
多少は性格も似通っているのは仕方がないが、
パーティーを組むなら多少の差別化はほしかった。


あと、これは単に疑問ではあるが、
この3人がやたらと悪態をつく、というか煽り合っているのは、
仲の良さを表現しているということでいいのだろうか?

格ゲーマーが仲間内でやり合う、
「煽り文化」みたいなノリは見たことがあるが、
こういったジャンルのゲームでもあるのは驚きだった。

私はMMOをやり込んだことがないので、
ゲーム上で煽り合うという光景を見たことがなく、
少々、面食らってしまった部分。

クラスメイトに接している時の楽郎はそうでもなかったので、
ゲーム上ではあえてこういう態度を取らなければならない、
というマナーでもあるのだろうか? とマジで考えてしまった。​

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