
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ/SQUARE ENIX・「片田舎のおっさん、剣聖になる」製作委員会
第1話「片田舎のおっさん、首都に行く」&第2話「片田舎のおっさん、魔術師に驚愕する」感想
主人公は片田舎の道場で剣術の師範を務めている、
中年男性の「ベリル・ガーデナント」。
彼の弟子は各地で目覚ましい活躍を遂げるまでに成長しており、
また本人の実力も相まって「片田舎の剣聖」と噂されていた。
そこへ元弟子の1人で
王国騎士団長の「アリューシア・シトラス」が現れ、
ベリルを騎士団の指南役へと推薦する。
今まで一部の人間にしか
認知されていなかったベリルの剣技が、
世に知られるようになるというストーリー。
原作は「なろう系」小説。
そちらは未読だが「コミカライズ版」は、
既刊分は読み終えているという状態だ。
先にコミカライズ版の感想を申し上げておくと、
安定した作画とテンポの良いストーリー展開で、
非常に読みやすい作品。
特にアクションシーンが素晴らしく、
バトルの動きは王道の少年漫画に匹敵する
クオリティだと思う。
なろう系原作のコミカライズはいくつか読んだが、
その中ではトップクラスと言っても過言ではない。
スピンオフのマンガも発売されているので、
キャラクターが気に入った方は要チェック!
というわけで、
以降はコミカライズ版との比較を交えた
アニメ版の感想になる。
まず、ベリル役の「平田広明」が見事!
くたびれたオッサン感を出しつつも、
飄々とした雰囲気もただよっており、
イメージしていた声とズレがない。
ヒロインたちについても特に違和感はなかった。
ざっくりとした言い方になっているが、
一応ホメているつもり。
個別に言及していないのは、
本作においてはベリルのキャストこそが、
最重要という認識だからだ。
序盤の展開については、
おおむねコミカライズ通りだったが、
細部で異なっているという感じ。
もしかしたらアニメは原作準拠なのかもしれない。
きちんと見比べたわけではないが、
コミカライズ版との差異はざっくり以下の通り。
・ベリル母の存在はアニメのみ
・鍛冶屋の試し切りのシーンはナシ
・アリューシアとスレナのケンカ仲裁シーンはナシ
・アリューシアの過去エピソードの変更
・魔法師団長ルーシーと戦うきっかけが変更
あと、副団長ヘンブリッツのキャラクターが、
若干変わっていた気がする。
彼は芯は熱くも普段は寡黙で、
酒を飲むとテンションが上がる性格だったと思うが、
わかりやすく熱い男になっていた。
内容を変更するのは問題ない派だが、
ベリルの凄さを伝わるエピソードが削られてしまったのは残念。
特に試し切りのシーンは、
地味ながら彼の異質さが垣間見える、
個人的にお気に入りのシーンだったからだ。
その代わりにベリルの父と
弟弟子のランドリドの2人が、
ベリルの素質を認めるような発言があった。
彼の自己評価が低い原因について、
コミカライズ版よりも深掘りされるのかもしれない。
作画に関してはキレイだったと思うが、
色がつくと女性陣の露出の多さが際立ち、
少し笑ってしまったところ。
ただ、ハーレム的な雰囲気はありつつも、
話自体はラブコメというよりもバトル寄りなので、
セクシーさを活かせるような展開はないハズ。
ヒロインたちに好意を向けられているのは間違いないが、
わかりやすくモテまくるというよりは、
主人公の実力が広く知られるようになる、
という部分をメインにした作品といった感じ。
正直、コミカライズ版のほうが好みの部分もあるが、
新鮮な気持ちで視聴できるメリットもあるため、
大幅な変更も楽しみだったりする。
なお、ベリルの年齢については、
アニメでもコミカライズでもハッキリと描かれていなかった。
おそらく「30代後半~40代前半」ぐらいだと思うので、
感情移入できるかどうかは人による。
わたしのようなオッサンは問題ないが、
10代の若者たちがどう思うのかはかなり気になるところ。
ちなみに本作は「Prime Video」にて世界独占配信なので、
現状テレビ放映以外ではアマプラで観るしかない。
引き続きレビューを書くかは微妙だが、何話か視聴を続ける予定。
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