
©村光・ベニガシラ・オーバーラップ/サラリーマン四天王製作委員会
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
1クール(全12話)視聴済み感想
サラリーマンの「内村 伝之助(うちむら でんのすけ)」は、海外赴任中に不慮の事故に遭い異世界へと召喚されるが、なんとそこは魔王軍!? おまけに四天王の1人として召喚されていたことが判明する。
大役に戸惑っていた「ウチムラ」だったが、魔王の人柄に触れたことで彼の役に立とうと決意。サラリーマン時代の知識や経験を活かして、さまざまな問題を解決していくというストーリーだ。
いわゆる「異世界転移モノ」ではあるものの、極端なチート能力はもらえなかったタイプの話で、コメディ色が強く明るいノリのファンタジー作品。
なお、主人公が魔王軍の幹部になるところから始まるが、悪側の立場というわけではない。魔王が治めている国は支配地域の拡大を目的としているが、侵略行為でそれを行なうというよりは、和平や同盟によってお互いの国を豊かにするというニュアンス。
戦闘シーンもそれなりにあるが、国内で私腹を肥やす商人を成敗したり、災厄と呼ばれる魔物の群れを迎え撃つという展開のみ。国同士で戦争しているような描写は見られなかったので、殺伐な雰囲気はあまり感じなかった。
ウチムラ以外は魔人や亜人といった人外キャラクターしか登場しなかったので、アニメの時点では魔界の一地域の出来事にとどまる。この世界に人間の国があり、勇者みたいな人物が存在しているのかなどは不明な部分だ。
原作はまだ連載中でアニメは物語の途中で終わった形になったため、今後の展開によっては登場するのかもしれない。
さて、1クール通しての感想について。
結論から言えば、非常に見やすい作品だったという印象。各エピソードが1~2話できちんとオチをつけてまとめていたし、各キャラクターもなかなか魅力的だった。
一部「ウチムラ」にとって都合の良い展開になりすぎかも? と思わなくもなかったが、彼が無双できるチート能力が与えられたリ、過剰に持ち上げらることもなかったので、最終的にはあまり気にならなかった部分。
そもそも「ウチムラ」は善良で真面目、勤勉で努力も怠らない青年。召喚前は報われない会社員時代を過ごしていたこともあって、感情移入できたり好感が持てるキャラクターになっていたのが大きい。
実績を積み上げていくことで、ヒロインたちに好意を向けられるお決まりパターンではあるものの、ハーレムモノというほど言い寄られることはないため、そういった展開が苦手な方でも楽しめるハズだ。
脳筋かつ恋愛脳の「ウルマンダー」がメインヒロイン的な位置づけ。ウチムラにアプローチを仕掛け、彼のリアクションによって一喜一憂する姿を見せてくれるため、一応ラブコメ的なノリも楽しむことができる。
魔人の女性キャラクターが肌を露出する必然性を、設定として作っていたのは感心してしまったところだ。
あと、異世界ファンタジーでありながら、専門用語がそれほど多くなかったところも個人的な評価点。
世界観や設定にこだわり過ぎて、初っ端から覚えづらいワードを連発する作品がある一方、本作では必要最低限に抑えていたし、固有名詞が登場してもわかりやすい工夫がされていた。
ハードルが低めにされているという意味では、異世界モノ初心者の方にもオススメできる。
ベースがコメディなこともあって、重厚な展開や伏線回収などシナリオで見せる内容ではないが、気楽に見られる異世界モノとしては、かなりキレイにまとまっている作品だと思う。
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