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※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
第11話「触れないあの子とみんなで割烹」感想
ワ謎のシステムの中枢へと侵入したチーム「えみゅー」の面々。意識だけがアクセスしているので、現実の身体は眠っているような状態らしい。
そこで「河津 ゆり(かわず ゆり)」の姿をしたAIに遭遇するが、「薄墨 ひなげし(うすずみ ひなげし)」のハッキングにより、こちらの問いにはすべて回答してもらえるとのこと。
というわけで、今回は作中の謎を回収するエピソードだ。
まず「ワイルドハント」の目的に関しては「知的生命体の消去・抹殺」。作戦は段階的に進むことになっており、今いる施設についてもそのために作られたもの。
実は似たような施設は各地に存在しており、その役割は知的生命体つまり人間を捕獲し、この世界の情報を収集すること。そして次の段階として、集めた人間の外見と記憶を似せた複製を作り兵器として運用することになっていた。
その手段とはサンプルとして捕獲した人間の代わりに、家族や組織の一員として元いた場所へと送り込まれるというもの。ちなみに送り込まれた人物は記憶を保持しているため、自分がコピーだという自覚はない。
最終的にはワイルドハントの起動に合わせて、コピー体も人間を排除するために指令が下される予定で、そのために備えられたのが「アンドバリ」という武器だったのだ。
ところが作戦の途中で中止命令が出されてしまったため、コピーたちは自らを人間だと思ったまま放置されてしまったというのが真相。
その命令を下したのは、ワイルドハントの上位存在ともいうべきものである。「ゆり(AI)」にも正体がわからないため、作中では「ヤバたん」と呼ばれていた。
「ヤバたん」は長い年月を掛けて知的生命体を発生させては消去し、そこで生まれた文明や文化のみを保存するために活動しているらしい。ワイルドハントや施設は消去のために、そしてミニロボットの「ラット」は保存のために作り出したようだ。
話によると他の惑星でも似たようなことをしているらしく、まさしく神のような存在である。
しかし「ヤバたん」側に何か重大な問題が発生してしまったらしく、すべての計画をストップさせることにした。しかも、その問題が種の存在に関わる可能性があるため、「ヤバたん」自体は滅びてしまっているという可能性がある。
本来の作戦がストップしてしまったことで、施設に保管されていたコピー元の人間を解放することになった。つまり、ここで出会った「河津 ゆり(かわず ゆり)」や「しらゆき ねりね」たちが「オリジナル」の人間だったわけだ。
今まで我々が見てきた「高台寺 えりか(こうだいじ えりか)」、「薄墨 ひなげし(うすずみ ひなげし)」、「吉野 さざんか(よしの さざんか)」、「咲耶 あやめ(さくや あやめ)」の4人は、自分を人間だと思っていたコピー体だったというオチである。
なお「霞 れんげ(かすみ れんげ)」のみ、実はオリジナル体の人間だと判明。「しらゆき ねりね(コピー)」からアンドバリを受け継いだ影響で、身体が作り変えられてしまったようで自己修復能力もその副産物とのこと。
ただし、本来であれば普通の人間にアンドバリを使うことはできないため、かなりイレギュラーな存在。このままアンドバリを使い続ければ、れんげの身体は崩壊してしまうのだ。
ある程度、話を聞いたところで「ゆり(AI)」に異変が発生。どうやら外部からのアクセスが発見されたことで、彼女が消去されることになったらしい。
施設も機能停止してしまうので、これ以上はコピー体が目覚めることもないらしい。ただ、ワイルドハントの進入禁止も解除されてしまうようで、「バロール」がやって来ることは必至。一行は目覚めて、敵を迎え撃つことになるのだった。
今回は色々と疑問点が解消されてスッキリしたという感じである。
世界崩壊前の記憶を持っていることで、れんげ以外のメンバーが人間であると思わせるミスリードの展開だった。
ただ、やはり「れんげ」関連の話というか時系列がよくわからない。話をそのまま捉えると、「ねりね(コピー)」から「アンドバリ」を継承したことがきっかけで記憶を失ったことになる。
しかし、妹の「すずらん」の話だと、れんげは彼女を守るために武器(アンドバリ)を持って戦った末に命を落とした話だったと思う。そうなると、その時点で記憶が無かったことにならないだろうか?
例えば、すずらんを助けたのは「れんげ(コピー)」のほうという説はどうだろうか。
実は「れんげ」も実は施設で捕らえられており、すずらんの元へ戻り亡くなったのは「れんげ(コピー)」のほう。「れんげ」はオリジナルの「ゆり」や「ねりね」よりも、なんらかの事情で先に目覚めてしまったあと、「ねりね(コピー)」と出会いその後に本編開始時点に続くという流れ。
一応、コレなら説明がつきそうな感じだ。とはいえ、私が根本から勘違いをしている可能性が高そうなので、妄想の一種だとご理解いただければと思う。
1クール作品だとすれば残り1話になると思うので、どういう決着になるかが非常に楽しみ。おそらくだが「ヤバたん」関連については、これ以上の新情報は出てこない気がする。
本作シリーズレビュー
▼もめんたりー・リリィ~卒業までにしたい100のこと~ 第1話 – マンガUP!
https://www.manga-up.com/titles/1322
※スピンオフのコミカライズ作品。
キャラクターは同一だが世界観は異なる模様。
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