【アニメ】『葬送のフリーレン』 #11 北側諸国の冬 レビュー

アニメ

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

​※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。

『#11 北側諸国の冬』感想


今回は「原作3巻」の「第23話 勝利と弔い」から
「第24話 エルフの願望」のまでの2話分

『七崩賢 断頭台のアウラ』との決着後、
戦士たちの亡骸を前に祈りを捧げる
フリーレンの姿が描かれる。

できるだけ戦士たちに傷をつけずに戦いを終わらせたが、
その中にはグラナト伯爵の息子の亡骸と思われる者もいた。
ようやく息子を弔うことができて、
改めて伯爵から礼を言われることになる。

褒美としてフリーレンが望んだのは、
この街の防護結界について記されたフランメの魔導書。
例によってレプリカであるのを承知していたが、
趣味なので問題ないらしい。


そして気絶したシュタルクは、
フェルンの魔法によって空中に浮かされたまま、
街への凱旋へと向かうことになる。

なんて公開処刑!と心配になっていたが、
その後の街での生活を描いたダイジェストでは、
それなりに仲良くやっていたので、
彼は人から親しみを持たれやすいタイプなのかもしれない。

特に子供たちに好かれていたようで、
シュタルクが子供の面倒を見ている間、
フェルンはフリーレンの面倒を見ていた。

まあ、子供からしてみれば、
表情が顔に出にくい女子2人よりは、
顔に傷があっても気のイイ兄ちゃんのほうが
接しやすいのだと思う。


ちなみにこのダイジェストの間に流れていた挿入歌が、
穏やかさの中にどこか寂しげな空気が漂っていて、
雰囲気がとても良い曲だった。

そしてフリーレンたちの旅立ちの日。
グラナト伯爵いわく彼女たちの目的地である、
大陸最北端のエンデに行くには、
一級魔法使いの同行が必要らしい。

北川諸国最大の魔法都市・オイサ―ストで、
一級試験が受けられるとのことで、
次の目的地はそこを目指すことになる。


これから冬になる上に、
どんどん寒い土地へ進んでいくということで、
後半は猛吹雪の中、遭難してしまう3人から始まる。

真っ先に倒れてしまったのは、
戦士であるシュタルク。
「戦士ってのは最後まで立っていた奴が勝つんだ」
と師匠であるアイゼンに言われていたろう?
オマエはソレでいいのか!?

そんな戦士の風上にもおけないシュタルクを、
支えながら連れて行くのは魔法使いのフェルン。
シュタルクの体重は明言されていなかったと思うが、
高校生男子の平均体重は60kg以上なので、
斧の重さを加味すると相当な重量になる。
以前もシュタルクを引きずっていたし、
彼女のフィジカルはなかなかのものだと思う。


避難小屋を発見したフリーレンとフェルンだが、
中にいたのは上裸でヒンズースクワットを行なう、
エルフの男性だった。
彼の名前はモンク(武道僧)のクラフト
なんと声優が子安武人だ。

クラフトのおだやかな性格に合っていたので、
キャスティングとしては問題ないが、
今期はやたらと出演している印象がある。

そして凍えてしまったシュタルクが、
夢の中で見たジャンボベリースペシャルのそばに、
なぜかサムズアップをしたアイゼンの姿。
すごいシュールな映像だなと思ったが、
クラフトの腕枕をされて寝ていたことが原因である可能性が高い。

つまり幼い頃のシュタルクは、
こんな風にアイゼンと一緒に寝ていたことがあり、
無意識の内に幼少期を思い出してしまい、
夢にアイゼンが登場したという理屈だ。
……まあ、そんなことはないだろうが。


なお「おっさん、いい身体してんな」のセリフの時に、
シュタルクが内股気味に座り込んでいたので、
なおさら妙なニュアンスに聞こえてしまった。
ちなみに原作ではそんなポーズでは取らない。

フリーレン一行とクラフトは冬を越すまでの間、
4人で協力しつつ生活する様子が描かれる。
ここもダイジェストでの描写だが、
なんと半年もの時間が経過してしまう。

フリーレンとクラフトによる
女神談義の背景に映し出された女神は、
耳がとがっておりエルフのような姿をしていた。
実は女神はエルフの転生した姿であるとか、
そういう妄想をしてみるのも面白い。

ダイジェストでは魅力的な場面がいくつも描かれたが、
個人的に印象的だったのは3度の食事シーン。
最初、食事の前に祈りを捧げていたのは、
信仰心のあついクラフトとフェルンのみ。

2度目は2人を真似てシュタルクが手を合わせる。
3度目でようやく4人そろって祈りを捧げる、
という構図になっていた。


フリーレンは女神の存在に対しては懐疑的なので、
心の底から主への感謝をしているわけではない、
というのが私個人としての感想。

信仰心が芽生えたというよりは、
仲間たちを理解しようとするために、
一緒になって祈りを捧げていたのだろう。

冒頭の戦士たちへの祈りに関しても、
もちろん弔いの気持ちもあったろうが、
ヒンメルハイターならこうしたであろう、
という考えからの行動であると思っている。

天国に行った仲間たちと、
いつか再会できると考えて旅を続けているフリーレン。
その姿はいつかは女神さまに褒めてもらう、
と言っているクラフトに通じるところがある。
信仰の対象が仲間か女神かの違いなのだろう。

今回の1話は穏やかな日々を描いた内容ではあったが、
実際はかなりの時間が経過しているのが面白かった。

あと、自分がそう感じただけなので確信は持てないが、
ハイターの演技は飲酒の量によって
微妙に変えている気がした。
今回の回想ではほろ酔いぐらいの
しゃべり方をしていたと思うが気のせいだろうか?

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