
©木嶋隆太・イマジカインフォス・如月命/SQUARE ENIX・「最強タンクの迷宮攻略」製作委員会
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
『第1話「パーティー離脱」』&『第2話「アバンシアへの帰還」』感想
前提として完全初見の感想。
主人公のルードは勇者パーティーに所属する「タンク」だったが、
得体の知れないスキルを所持しているという理由から、
パーティーをクビにされてしまう。
なお「タンク」とは敵の注意を引きつけて、
味方の盾となりパーティーを守る役職のこと。
本作はファンタジー世界を舞台にした物語で、
いわゆる「追放系」に分類される。
ただ、ルード自身が追放を大人しく受け入れる性格をしており、
理性的で分別のある大人の男性として描かれているため、
元パーティーのメンバーへの憎しみなどは抱いていない。
そもそも彼には妹のマニシアの病を治すため、
どんな願いも叶えるという『迷宮の秘宝』を探すという目的がある。
また、故郷へ戻る道中に引き取った、
不思議な少女ルナについての秘密や、
彼女との交流が主に描かれることになるのだ。
つまり追放されたことそのものは導入に過ぎず、
物語の主軸は別のところにあるという印象。
ちまたでよくある勇者を見返してやろう的な展開には、
ならなそうな気がする。
主人公がヘイトを溜めて逆襲する展開を期待している方には、
少々物足りない内容かもしれないが、
個人的にその手の流れは少々見飽きた感がある。
私がおじさんになってしまったせいかもしれないが、
ルードぐらい落ち着いたタイプのほうが安心して見られると思う。
ちなみに故郷へ戻ってからのルードは、
彼の人柄もあってか村中の人から慕われていたし、
親しい女性達もいるといった感じ。
ルードの得体の知れないスキルについても明かされ、
攻撃可能な「タンク」というレアな役割をこなせるようになったので、
ぶっちゃけた話、恵まれた主人公であるのは間違いない。
だが、子供の頃に苦労していたり、
彼の人格が好ましく描かれたりしているおかげで、
主人公としてことさら接待されているようには感じない、
うまいバランスだったと思う。
正直、キャラクターの口調がやや説明台詞になっていたり、
戦闘の迫力が微妙だったりと気になる点がないわけではないが、
時間がある時にまとめて見る分にはよさそうな作品だった。
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