
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
桐子を撃った犯人は!? それぞれの過去が明らかに!
前回10巻は「船山孤児院」の園長である
「船山 通(ふなやま とおる)」と再会したところで終了。
まずは彼が大災害のあと、
どのように過ごしていたかの回想が入る。
「稲崎露敏(いなざき ろびん)」と
「真凛(まりん)」の兄妹たちとも、
このタイミングで知り合った。
ところが災害後の混乱の中、
ちょっとしたことがきっかけで、
真凛は命を落としてしまう。
ケガの原因が汚れた釘だったこと、
体を弓のように反り返らせたりという症状から、
「破傷風」に掛かっていたのだろう。
真凛につけられた「トリアージ」が
「0(ゼロ)」だったことからも分かる通り、
病院に担ぎ込まれた時には、
すでに亡くなっていた可能性が高い。
「トリアージ」とは災害時の救命優先順位を定めたもので、
緊急性が高いものから順番に、
「1、赤」「2、黄」「3、緑」「0、黒」と色分けされ、
「0」は明らかに救命が不可能な場合につけられる。
医者としてはそのコトを、
兄である露敏に告げるのをはばかられたので
保護者と思われる通に話したのだろう。
結局、その件がきっかけで
通は露敏の面倒を見ることになるのだった。
それから半年後に、カメラ少女の
「川島 蘭(かわしま らん)」を保護し、
その1年後に竹早姉弟が仲間入りするという流れ。
ちなみに通は、桐子が露敏に殺されたものと思っていたらしい。
露敏は当時発生していた行方不明事件に関わっていたそうで、
捕まえた人間と“人食い”つまり「ヒルコ」を使って、
何か恐ろしいコトをしていたとのこと。
その証拠を桐子がカメラに収めていたので、
口封じのために消されたという理屈だ。
事故のあと孤児院が引っ越したのは、
みんなの安全のために浅草から離れるよう桐子に言われて、
証拠を託されたというのが真相だった。
私は桐子と露敏は
男女の関係にあったと思っていたが違ったのだろうか?
それともつき合いの中で疑惑を持ったという流れだろうか?
しかし、よくわからないのが露敏の目的である。
今までは亡くなっていた思われていた
妹の真凛が実は生きていて、
回復や覚醒のためにヒルコの研究が
必須なのではと考えていたが、
明確な死亡が描かれたのでそれは無さそう。
今後、露敏がヒルコについて
知った経緯が描かれるのだと思うが、
現状ではまだ謎な部分。
ナタ(中身は上仲詩乃)、マコ、サクヤの
3人組のエピソードも進展した。
サクヤが能力を見せてくれたことで彼女のヒルコも判明。
顔に浮かぶマークも同一のようだし、
おそらく1巻でキルコとマルが宿泊した
「八巣旅館」に登場した鳥型ヒルコだろう。
これまでも何度かあったが、
2人が退治してきたヒルコの正体がわかる度に、
なんとも言えないやるせなさを感じてしまう。
一応、彼らが救われたようにも見えるので、
成仏させてあげたという風に納得はしているが……。
それにサクヤについては、
恋愛的な意味でハブられているようで、
ほかのヒルコたちよりも気の毒さが増しているのだ。
全体的な感想としては、
ところどころで今までとは異質の怖さが、
出てきたという感じ。
全体的に理解不能な化け物よりも、
理解できるハズの人間が
理解不能なコトをしているほうが、
よほど恐ろしいという意味である。
なお、次回12巻の発売は「2025年6月頃」らしい。
11巻の発売が予定よりも遅れていたので、
実は結構心配していたところ。
作者のYouTubeを見る限り、
色々とあって大変だったことがうかがえる。
私には新刊を買い続けるぐらいしかできないので、
今後もそうさせてもらうと思う。
今回も非常に楽しめたので次回も頼みます!
コメント