【書籍レビュー】きちんと伝わる!センスのよい文章の書き方(赤羽 博之)

書籍

文章力を向上させたい方に向けた1冊!


タイトルにも入っている『センスのよい文章』について、
コレを「読み手が心地よく感じる文章」と定義づけている。

そのために必要なポイントは、
「読みやすい」「分かりやすい」「読みたくなる」の3つ。
本作はこれらを実現するためにはどうすればよいか?
という疑問に答えてくれるというワケだ。

ただ、文章の上達に関しては、
「一朝一夕でどうにかなるものではない」という
前提で書かれている点は注意が必要。

もちろん押さえるべきポイントや
コツなども記載されているため、
ある程度の即効性は期待できる。

しかし、センスのよい文章を書くためには、
日頃から言葉や文章に対する意識を向けて、
自分の中に語彙やフレーズをたくわえ続け、
そられを身体に馴染ませなければ使いこなせない。

ある程度の時間と労力が掛かることは
覚悟しなければならないという内容だ。

とはいえ、逆に言えばそれらを心掛ければ、
誰でも上達が見込めるという意味でもある。

また、ダメな文章の例を出しつつ、
改善点をわかりやすく紹介してくれるので、
文章が苦手という方にもお試しいただきたい。


個人的に重要だと感じたポイント!


  • 「美しい」と書かずにそれを感じさせる!
  • 氷細工を切り出すイメージ!
  • アタマの中のデータベースを育てる!

●「美しい」と書かずにそれを感じさせる!
ほかにも「楽しい」「面白い」「すごい」などの、
形容詞は容易に使ってしまいがちだが、
そこからイメージする基準は人によって異なる。
状況や言動、数字などの情報を盛り込んで、
その様子を具体的に描写する。

●氷細工を切り出すイメージ!
目標とする文字数の「2倍」を目安に文章を書く。
そのあとに重複やクドい言い回しなどを、
大胆かつ繊細に削り、引き算で仕上げていく
推敲する際はある程度時間が経過してから、
音読プリントアウトをすると客観性が増す。

●アタマの中のデータベースを育てる!
言葉やフレーズをたくわえる
「ことばの森」を自分の頭の中に作る。
そのために有効なのが「天声人語」や「余禄」など、
新聞各誌のコラム「手書き」で書き写すこと。
1~2年間、継続すれば目に見えて成長が実感できる。


まとめ!


文章の書き方に特化した内容だが、
読まれやすいメールの特徴や、
ちょっとした時短の方法なども紹介しているため、
ビジネスの場でも役立つハズ。

また、できるだけ少ない文字数で
素早く書くという点から見ても、
SNSやブログで活動している方にオススメだ。

ただし、本作が目指しているのは
あくまでも実用的な意味での読みやすい文章

作者の個性や独特の文体から感じる味わいなどは、
あまり考慮されていないので、
小説家を目指していたりこだわりのある方は、
情報の取捨選択が必要かもしれない。

本作を読んで改めて理解できたのは、
文章を「書く技術」というのは、
やはり書くことでしか上達しないということ。

もちろん文章を読むことで、
語彙を増やすことはできるが、
基本的にそれで上達するのは「読む技術」

常に自分が書くことを意識して、
気になるフレーズや言い回しを
吸収しなければならないのだ。

私は今まで漫然と読書をしてきたので、
「読む技術」すら習得していない可能性がある。
今後は気をつけたいと考えてはいるが、
トシのせいでいつの間にか忘れていそうな気がする……。

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