
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
作品概要
著者:大槻 一翔
レーベル:青騎士コミックス
シリーズ名:ピッコリーナ
発売日:2023年03月20日
出版社:KADOKAWA
ざっくり感想
「鳥朗(とりあき)」という焼き鳥屋を営んでいる、
主人公の森渕 朗(もりぶち あきら)。
彼は店に訪れた峰香(ほうか)という女性に心を奪われる。
だが、次に来店して来た時は彼女はバニーガールの姿で、
おまけに見た目から注文内容までそっくりな、
4人のバニーガールと一緒だった。
自分が運命を感じた女性が、
五つ子に見まがうようなバニーガールの1人だったら?
という導入から始まる物語。
まず、印象的だったのは絵の描き込み具合。
人物だけでなく食べ物や動物、背景など、
画面に映るすみずみまで、ていねいかつ繊細に描き込んでいた印象。
ヒロインである峰香さんの髪のつややかさや、
バニーガールの脚線美は見とれてしまうような美しさだし、
炭火で焼き上げられ焼き鳥は、
ヨダレが出そうなほどウマそうに見えるなど、
本作の設定として大事な部分は特に力が入っている。
舞台となっているのは都心を思わせるビル街。
ガード下にある鳥朗のような店や
峰香さんの勤める高級クラブなど、
酒が全く飲めない私にとっては縁の無い場所ではあるが、
絵で細かいところまで描写しているため、
雰囲気や臨場感は十分伝わってきた。
これから徐々に明かされていくのかもしれないが、
一巻の時点ではキャラクターの人物背景や
プライベートがあまり描かれていない。
例えば主人公の森渕 朗(もりぶち あきら)は、
23歳という若さながらも職人として一人前。
19歳の妹、侑(ゆき)と共に店を切り盛りしているが、
なぜ、そのような境遇に至ったかは今のところ不明。
今後のエピソードの都合もあるのかもしれないが、
キャラクターが自分の心情を独白するようなシーンも少ないため、
人によっては感情移入しづらいかもしれない。
5人そっくりのバニーガールという設定も、
現時点では活かしきれていない気がするので、
これからどんな風に掘り下げられるのかが気になるところ。
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