【マンガ】『葬送のフリーレン』14巻 特別短編小説付き特装版レビュー

マンガ
Version 1.0.0

©山田鐘人・アベツカサ/小学館
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。

バトルだけでなく駆け引きにも注目!

帝国で諜報活動をしている一級魔法使い「リネアール」からの情報を受け取るために、「ラント」「ユーベル」が社交界のパーティーに潜入するものの、「魔導特務隊」にバレてしまい追っ手を掛けられるというところで13巻は終了した。

というわけで今回の14巻は、2人の逃亡劇から始まる。

ラントいわく魔導特務隊は対魔法使いに特化した部隊。いくら一級魔法使いであっても、やり合うのは分が悪いらしい。


さらりと回想が挿入されただけだが、彼の祖母も追われる身だったことがうかがえる。しかも、わざわざ隊長である「フラーゼ」自らが出向ているところを見ると、かなりの重要人物だった可能性が高い

特務隊の1人「ノイ」によって捕らわれるラントとユーベルだったが、機転を利かせて脱出するのだった。

会う人会う人からやべぇヤツ認定されるユーベルだが、メガネ君とのやり取りはほぼラブコメ。ラントが本体だと判明してからの頭突きは、彼女ポジションのリアクションだ。

特務隊のノイから、ユーベルとフラーゼの感性が似ているという指摘があったが、隊長も若い頃に男にちょっかいを掛けていたりしたのだろうか?


魔導特務隊は政治的な部分にも介入するようで、副隊長の「カノーネ」「デンケン」や彼の義理の父である「グリュック」に接触。これから帝都で起こるであろう問題にデンケンを巻き込まないよう、2人の故郷である「ヴァイゼ」へと移送することにしていた。

現在のデンケンは、宮廷魔術師であると同時に一級魔法使いでもある。帝国の中枢にいながら大陸魔法協会にも近いというデリケートな立場なので、お互いの組織から距離を置かれている状況だ。

「ゼンゼ」からも「ゼーリエ」の暗殺計画について問われていたが、全く知らず蚊帳の外にいたらしい。それ以外の件でもデンケンに確認していたのが気になるところ。


平行して帝国の別の組織「影なる戦士」についても描かれた。ちなみにゼーリエ暗殺を企てているのはコチラで、魔導特務隊がこの件を承知しているのか無関係なのかは判明していない。

揃いの制服をまとってひと目でそれとわかる魔導特務隊とは異なり、影なる戦士のほうはさまざまな職種や立場に擬態して市民に溶け込んでいた。名前ありで登場した人物は特務隊よりも圧倒的に多いので、彼らのほうがエピソードは多めに割かれているのかもしれない。

後半では待ちに待った僧侶「アゴヒゲ」こと「ザイン」が登場! いきなりヌルっと再登場したので単行本派の方は驚いたことだろう。

以降の展開は「サンデーうぇぶり」の連載レビューをアップしているので、コチラをご覧いただければと思う。

全体的な感想としては緊張感のある描写が多めだったが、「フェルン」のうさ耳姿や、寝起きのゼンゼなどが見られたので、萌えポイントもそこそこ押さえていた内容という感じだ。

特に馬車の中で花を生み出すゼーリエが個人的にツボ! どれだけその魔法、つーか「フランメ」が好きやねん!?

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特別短編『空に花を咲かせる魔法』感想

全24ページとなっているが、コレは扉や奥付、挿絵を含んだページ数。文字が書いてあるのは実質18ページなので、10~20分ぐらいで読み終わると思う。

活字に抵抗がなければもう少しボリュームがほしいところが、マンガのオマケとして考えれば、これぐらいでちょうどいいのかもしれない。

内容としては、かつてヒンメル率いる勇者パーティーが訪れた北側諸国の村へ、現在のフリーレンたちが立ち寄り過去を振り返るというもの。ただし、時系列的には「勇者ヒンメルの死から29年後。」の出来事。つまり連載の時点よりも少し前の話だ。

具体的に言うと「一級魔法使い試験」のあと、「ゲナウ」「メトーデ」に協力して魔物退治に参加するまでの間の、どこかで発生したエピソードといった感じ。14巻で描かれている帝都編は「31年後」の話なので、それなりに時間は経過している。

短編自体は本作でたまに描かれる一話完結型エピソードのノリ。コミカルな部分はありつつも、全体的に見ればしんみりしたイイ話


主要人物の掛け合いがメインだがオリジナルの魔法も登場し、それが形を変えて本編にも影響を与えていたというオチになる。

14巻の見せ場にも関わるものなので、今回の特典としてはうってつけ。ただ、それほど重要な要素ではないので、絶対に押さえておくべきか? と聞かれたら微妙なライン

あと、装丁について不満がある。デザインや色合いについてはかなり好みだったが、とにかくページがめくりづらい。ハードカバーなので多少は仕方ないのかもしれないが、見た目の立派さと引き換えに読みやすさが犠牲になってしまった印象だ。

また、使われている書体もマンガのものよりも小さめなので、この点が気になる方もいそう。実物にこだわりがなければ、電子書籍版の購入を検討してみるのもアリ

キャラクターのセリフに違和感は無かったし、ストーリー的にキレイにまとまっていたので個人的には満足できた特典。しかし、マンガ単品の「3倍」近い価格になってしまうので、シリーズファンであっても慎重な検討をオススメする。


「サンデーうぇぶり」をチェック!

『葬送のフリーレン』に関しては、
本誌「週刊少年サンデー」の掲載から1週遅れにはなるが、
最新話を「サンデーうぇぶり」で無料で読むことができる!
▼「第140話 舞踏会」(※期間限定公開)
https://www.sunday-webry.com/episode/2550912965052666161
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