【マンガ】『このクラスにギャルはいない』(時田時雨)1巻レビュー

マンガ

©時田時雨 2025
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。


高校デビューをはたした2人のほのぼのとした日常を描く!

「七瀬 美礼(ななせ みれい)」は、ガリ勉で引っ込み思案な性格をしているせいで、中学時代はなかなか友達を作れずにいた。そんな自分を変えたくて、高校入学をきっかけに一念発起!

メイクやファッションを勉強して立派なギャルへと変身したが、クラスに一人もギャルがいないせいで若干浮いた存在になっていた。

それもそのはずで美礼が進んだ高校は進学校。髪色自由という校則ではあるものの、真面目な生徒ばかりなので、ほとんどの生徒が黒髪なのである。


唯一の例外が同じクラスの「間宮 優心(まみや ゆうしん)」。髪を染めているだけでなく、入学式当日にもかかわらず、顔に傷を作り遅刻して来たヤンキー風の少年だ。

その外見から彼も1人でいることが多く、なりゆきで一緒に帰ることになった2人。ヤンキーと会話をするという、中学時代の自分では考えられない成長に密かに感激する美礼だったが、実は優心も内心ギャルと会話できたことに感動していた

なんと優心も美礼と同じような中学時代を歩んでおり、彼女と似たような動機で今の格好をしていたに過ぎない。しかし、そんな事情はお互い気づいておらず、相手のことを本当のギャルとヤンキーだと思っているという状況なのだ。


主役の2人がギャルとヤンキーとして振る舞おうとするも、微妙になりきれていないところが笑えるポイント。とはいえ、ズレた努力ではあるものの一生懸命さが伝わってくるものなので、微笑ましくもあるという感じだ。

例えば、遊び慣れているというイメージを作るのために、喫茶店での注文の仕方から、遠足で行くテーマパークの情報まで、何をするにも下調べを欠かさない。

また、外見に似合わずテストでいい成績を取ってしまったらと思い悩むこともあるが、生来の真面目な性格のため、きちんと勉強をしてしまうしワザと間違えることもできないという具合。

ちなみに成績に関しては、美礼が学園主席で、優心が次席というツートップだったりする。

なお、最初こそ浮いていた美礼と優心だが、彼女たちの善良さや純粋さが隠しきれないせいか、クラスメイトも2人を見守るポジションになるため平和な空間が描かれる。

そのためジャンルとしては学園モノのコメディだが、雰囲気としては「ほのぼの日常系」という印象が強い。登場人物に天然が多く悪い人間が登場しないので、読むのにストレスを感じないタイプの作品としてオススメしたい!


さて、主役が男女2人ということでラブコメ的な部分も気になるところが、現状ではそういった空気はなく、仲の良い友人関係といったところ。

そもそも美礼も優心も友達がほしくて高校デビューを決意しただけで、恋愛まで気が回っていないという状況なのだ。

実はかなり序盤で間接キスまで発展するものの、2人ともその部分については一切気にするそぶりがなかった。

イチャイチャを期待する方には少々物足りなさを感じるかもしれないが、これはこれでアリかもと思える空気感なので、興味がある方はぜひ読んでみてほしい!


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