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©久宝忠・TOブックス/水属性の魔法使い製作委員会
第1話「危険なスローライフ」~第3話「ルンの街」感想
原作は「なろう系」のライトノベルでコミカライズもされているが、どちらも未読なのでアニメ版の完全初見の感想になる。
主人公の「三原 涼(みはら りょう)」は事故に遭い命を落としてしまうが、天使のような存在の計らいで、異世界「ファイ」へと転生する。ここは魔法が存在する世界で、彼も「水属性」の魔法を与えられたが、天使いわく特に何かを成す必要は無いとのこと。好きなように生きて構わないと言われたため、ひとまずスローライフを満喫することにするが……。
導入は剣と魔法のファンタジー世界への異世界転生モノ。ただし、かなり独特な構成をしているため、こういうタイプの作品と一言で言うのが難しい。というのも1~3話までの内容が、それぞれ毛色の異なるエピソードだったからだ。

まず、第1話は主人公の一人語りに終始した。
自身の魔法についての理解を深めたり、魔物を狩って食料にしたりと、「ファイ」での生活に試行錯誤する涼が描かれる。雰囲気はのんびりとしていたが、なかなか過酷な内容で、スローライフどころか、ほぼサバイバルだろ! とツッコミを入れたくなったほど。
修行をつけてくれる妖精(デュラハン?)や、念話で会話をしようとしてくるドラゴンは登場するものの、人間は涼1人だけ。そのせいかやたらと彼の独り言や心情語りが多くなっていた。
視聴者に説明しなければならないので仕方ないにしても、相手もいないのになぜか「ていねい語」で話すことがあり、その点が引っかかった。しかも、常に「ですます調」で話すワケでもないので、なおさら気になってしまった部分。

視聴を継続しようか迷っていたが、第2話でテイストが変わった。涼の住んでいる場所の近くに、「アベル」という冒険者が漂着してきて、彼と2人で街へと向かうという話になる。1人きりの生活から打って変わって、2人旅がスタートするというわけだ。
道中の魔物との戦いを通じて、アベルは涼の異質な強さに気づき、自分と同じ冒険者になることを提案してくるという流れ。
そして続く第3話では無事に街へと到着。多くの人物が登場したことで涼の交流関係も広がった。異種族であるエルフが遭遇したりと、ここに来て一般的な異世界ファンタジーが始まったという感じ。

毎話異なるアプローチをしてくる点は興味深いが、主人公の涼に魅力を感じないのでイマイチ乗り切れないところがある。
しゃべり方のクセも理由の1つだが、彼がどういう人間なのかつかみきれないのが大きい。
「不老」特性のおかげで異世界では老化しないのは理解できる。ただ、元々が何歳なのかハッキリしないため、少年なのか青年なのかもわからない。飄々とした性格やスローライフを希望していた理由は生前の影響なのかもしれないが、どういう人生を送って来たかが描かれないため感情移入がしづらいという具合。
涼以外にも転生者がいることを匂わせているのは面白そうな要素だが、彼自身のことを深掘りしないのは何か理由があるのだろうか?
主人公は微妙だが、主人公が自分の世界を少しずつ広がっていく様子をていねいに描くという構成は好みなので、視聴は続ける予定だ。





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