
©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
『#13 同族嫌悪』感想
今回は「原作3巻」の「第27話 平凡な村の僧侶」から
「原作4巻」の「第28話 僧侶と後悔」の途中までの2話分。
パーティーに新メンバーが加入する話。
冒頭、ある青年の独白から始まる。
彼は目の前にいるフリーレンが冒険者だと知ると、
自分の思い出を語り出した。
自分にはゴリラのような幼なじみいて、
大人になった時に冒険の旅に誘われたのだが、
その誘いを断ってしまったことを
今でも後悔しているという内容だ。
なぜ、そんな話をしているかと言えば、
青年が底なし沼にハマってしまい、
フリーレンに助けを求めているから。
結果的にフリーレンの『底なし沼から引っこ抜く魔法』で、
彼は救われることになる。
ちなみにアニメでは青年は上半身まで沼につかっていたが、
原作では濡れていたのは腰より少し上あたりまで。
アニメのほうが底なし感が強く、より切迫した状態になっていた。
物資の補充をするため先を急ぐ一行だったが、
途中、シュタルクが毒を持った生物にかまれてしまう。
すぐに教会で診てもらう必要があるとのことだが、
次の街へ飛んで行くにも魔力が持たないようなので、
先ほど通りがかった村へと戻ることにした。
しかし、シュタルクの症状を確認した
村の神父は手遅れだと判断。
だた、自分の弟のザインであれば、
対処可能かもしれないとのこと。
そこへ当の本人ザインがやって来たが、
彼は先ほど底なし沼から救出した青年だった。
ザインはシュタルクに触れると、
一瞬にして毒を治癒してしまうほどの腕前で、
フリーレンいわく天性の才らしい。
兄として弟の冒険者に憧れていた
気持ちをかなえてやりたい神父は、
フリーレンにザインをこの村から連れ出すように頼むのだった。
このあとはフリーレン一行が、
ザインをパーティーに勧誘するという展開になる。
身ぐるみをはがされた2人の描写については、
原作と異なる部分がいくつかある。
アニメではシュタルクの悲鳴に、
いち早く反応するフェルンが描かれていたが、
原作ではフリーレンと2人で探しに出た時に、
たまたま発見したという流れになる。
フェルンのリアクションを含めて、
ここはアニメのほうが好きかもしれない。
また、取られてしまった衣服に関してもタダで返却してもらえたが、
原作だと収穫祭なので安く買い戻せたという感じなので、
村長への好感度もアニメのほうが高い。
なお、フェルンがザインへ服を返すくだりも、
実は原作のほうがあたりがキツく、
洋服を地べたへ叩きつけるように投げてしまう。
アニメで描写してしまうとさすがに厳しいと思って、
マイルドに見えるように調整したのだろう。
シュタルクの服をつまむように持っていたが、
人によっては裸の男性に自分の上着を貸してあげるほうがイヤだと思うので、
なんだかんだでシュタルクには甘い気がする。
勇者ヒンメルに対しては
「効果はバツグンだ!」が表示されるであろう、
エルフのお姉さんの投げキッスについて。
個人的には滅茶苦茶カワイイとは思うが、
アレが色仕掛けとして成立すると思っているあたり、
フリーレンの知識も相当に偏りがある。
魔導書だけでなく恋愛小説でも読め!
まあ、たぶん意味はわからないと思うが……。
そして、フェルン、シュタルクペアが
そろいもそろって威力を認めているあたり、
このパーティーの幼稚さがうかがえる。
というか、このままでは2人の関係発展も
絶望的ではないだろうか?
とはいえ、大部分の責任は、
大魔法使い・フランメにあると思う。
今回の件といい服を溶かす薬の件といい、
彼女はただの耳年増でリアルな男女関係には
かなり疎かったと見える。
若い頃のフランメはザインの好みにぴたりと
合うようなセクシーお姉さんだったはずなのだが、
きっとフリーレンを育てるのに忙しくて、
そういうコトをする暇がなかったのだろう。無念……。
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