【アニメ】『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第13話 レビュー

アニメ

©若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT

※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。


『Layer 13 わたしの大切なもの』感想


前回『よろこびの歌』の鼻歌を歌っていたのは、
やはりエコー2だった。
彼女の援護により追っ手を眠らせてあと、
空に浮かぶUFOに収容されることになる。

中にいたのはエコー1、2、3の2人と1匹。
彼らは秋里コノハに会うため、長い旅をしてきたらしい。

旅と言ってもおそらく距離的な話ではなく、
エコー1の口ぶりからすると時間的な意味での話だろう。
エコー1はコノハが作ったゲームのファンらしく、
彼女にサインをもらいたかったとのこと。

といっても、ここで言うゲームというのは、
これからコノハたちが完成させるソフトを指す。

時間や次元を超越するエコーシリーズなので、
この時点で存在していない作品にも触れることができたようだ。

コノハがこれから生み出す作品に
お墨付きを与えたエコー1は、
目的を果たしたのか去ってしまうのだった。


次に秋里コノハ六田守が目覚めたのは地上。
目を開けた時に守の顔が目の前にあって、
動揺してしまうコノハがかわいかった。

コノハの洋服と荷物を持って山田冬夜が来たかと思えば、
上空にはヘリコプターが現れて、
中からアルコールソフトの初期メンバー、
上原メイ子下田かおり六田勝(てんちょー)
五味川清(キョンシー)の4人が登場。

みんなそれなりに老けてはいるが、
メイ子やかおりはほとんど変わらず、
お姉さんと言っても差し支えないレベル。

どうやら守がコノハのために、
ゲーム作りの助っ人として招集したらしい。

コノハは山田冬夜のこともゲーム作りに誘うが、
彼女はやることがあると言ってこの場に残るのだった。

倉庫へ戻って来たコノハたちの元へ、
シナリオライターの双子キキララと、
広報を担当していた橋本も合流。

アルコールソフトの面々に再会できたのは、
非常にうれしいし最後にみんなの力を使って、
ゲーム作りを行なうという展開もよかったと思う。

なお、制作シーンに関しては一瞬で終わってしまったので、
完成までどれぐらいの期間がかかったのかなどは不明。
ゲーム完成後、守以外は全員帰ってしまったらしい。

コノハが昔とまったく姿が変わっていないということで、
彼女がタイムトラベラーであることも話してしまったようだ。

ただ、それは守の口から説明されるのみで、
その件について、みんながどういったリアクションを
取ったのかまではわからない。

事情を理解した上でみんな力を貸してくれたのだと思うが、
個人的には描いてほしかったところだ。


完成したゲームのタイトルは『わたしの大切なもの』

コノハが1999年へ戻った際にこれを発売する必要があるのだが、
そのための詳しい指示は守が手紙にまとめてくれたらしい。

「Layer 5 2度あったことは3度ある!」で、
1999年の守の机の上にあった手紙の謎が、
ようやく明かされたことになる。
あれは「2023年の守」から「1999年の守」への手紙だったわけだ。

歴史を大幅に変えることで2人の記憶も消えてしまうのでは?
という展開からの絶対に忘れないという約束も、
定番ではあるもののグッときたシーン。

『こみっくパーティー』によるタイムリープ後、
1999年の出来事に関しては描かれることはなかった。

手紙の詳しい内容も描かれなかったので、
ここは疑問や考察の余地が残される部分。
初めてコノハが1999年にタイムリープした時の守は、
すでにこの計画を知っていたことになる。

「2023年の守」がどこまで説明したかは謎だが、
少なくとも『わたしの大切なもの』の発売準備は同時に行なっていたと思うので、
その後の歴史をどこまで把握しているかはかなり気になるところ。


次にコノハが目覚めた時は歴史が変わった2023年の秋葉原

「元々彼女がいた秋葉原」と「先ほどまでの文明が発展した秋葉原」を、
ミックスしたようなオタク文化を維持したまま発展した場所だった。

アルコールソフトのビルへ向かうも、
スタッフ達はアメリカへ引っ越したという話を、
「人妻喫茶ブルーベル」の社長から聞くことになる。

歴史が変わったことでブルーベルはゲーム制作会社にならず、
コンセプトカフェを経営することになったようだ。

自分の好きな秋葉原が戻って来たことに
守への感謝を口にするコノハ。

彼の記憶を失っていないことに気づいた瞬間、
背後で「PC-98」の起動音が鳴り、
画面にはコノハの帰還を歓迎するメッセージが表示されていた。

ビルの階段を駆け上がりオフィスの扉を開けると、
記憶を持ったままの守がコノハを迎えてくれたのだった。
彼の胸へと飛び込み再会を喜ぶコノハ。

第1話で初めて出会った時とまったく同じ構図でありながら、
2人の関係性は変化しているという終わり方。


1クール通しての感想


というわけで、全13話を視聴した上での感想。

まず、ベースとなる原作は存在するにしても、
ほぼアニメオリジナル作品として、
きちんと完結してくれたのは非常にありがたい。

物語としてきちんと完結していない作品に関しては、
本当の意味での評価は下せないと考えているので、
この点だけ見ても一定の評価はできると思う。

作画クオリティに関して言えば、
できればもう少しがんばってほしかったというのが本音。

デフォルメタッチのキャラクターデザインとはいえ、
明らかに描き込みが不足している描写があったし、
表現がシンプル過ぎると感じたシーンもかなり見受けられた。

女性陣に関しては多少力を入れていたのかもしれないが、
もっと魅力を引き出せたような気がしてならない。
魅力的なキャラクターデザインだけに、もったいないと感じたところ。

後半は超展開というかトンデモ展開が続き、
当初想定していたものとは異なる内容だったが、
毎週予想できない展開を見せてくれたという意味では、
個人的に飽きずに楽しむことができた。

結論しては色々と疑問が残る点もあるが、かなり満足できた作品。
人さまにオススメするのは難しいが、
ハマる人にはハマるそんな内容だったと思う。

ちなみにエコーの正体については最後まで明かされることはなかった。
第1話でコノハを中古ゲームショップへと連れて行った犬がエコー3だったので、
あの老婆自体もエコーシリーズという可能性が高い。

私は考察が苦手なので、これ以上深掘りすることはないが、
エコーの正体を突き止めたという方がいるなら、
ぜひ教えてほしいと思っている。

やたらとミスタードーナツが食べたくなったが、
守と同じ年齢になった時に彼と同じぐらいの
体型になっていたいと考えているので、
どうしようか悩んでいるところだ……。​

コメント

タイトルとURLをコピーしました