©Yabuta Ajima 2019
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
クマ撃ちにとりつかれた女の生態を追う!
フリーライターの「伊藤 一輝(いとう かずき)」は、
面白い題材の本を出版するために、
単独でヒグマを仕留めたと噂される、
ある人物に密着取材を申し込む。
彼女の名前は「小坂 チアキ(こさか ちあき)」。
ヒグマを狩ることに異常な執着を見せる女性だ。
物語はチアキの狩りに同行することになったカズキの視点で描かれる。
猟師がどのような生活を行なっているか、
一種の「お仕事系」作品に分類される一方、
主役2人の「バディモノ」としても読めると思う。
プロの猟師であるチアキに対して、カズキのほうは素人。
狩猟における基本的なルールや振る舞いを、
チアキから教わるというのが主な流れだ。
彼の目線があるおかげで、何も知らない読者でも物語に
入り込めるようになっていたと思う。
例えば作品の舞台は北海道だが、
基本的に雪や寒さに弱しイノシシは、
北海道で生息していないとのこと。コレにはビックリ!
私もカズキ同様、山さえあれば
イノシシぐらい出没するだろうと、
勝手に思っていたからだ。
言われてみれば「某金塊争奪戦」のマンガで、
イノシシを食しているシーンはなかったかもしれない。
野生の厳しさやヒグマの手強さを描写しているため、
ハードな展開もあるにはあるが、それ一辺倒というわけでもない。
主役2人の掛け合いをコミカルに描写しており、
笑えるシーンもソコソコあるため、
緊張感を適度にゆるめてくれるのも読みやすかったところだ。
さらにチアキのキャラクターが魅力的!
彼女は狩りバカという面はありつつも、
「31歳」という大人の女性でもあるので、
狩猟に慣れていないカズキの状態に気を配ることもできる。
そうかと思えば獲物の熊を仕留めるために、
カズキの存在を囮として利用するなど、
熊撃ちに執着する危うさも見せるのだ。
1巻の時点ではチアキの動機はハッキリと描かれないため、
そのあたりの事情は今後深掘りされるのだと思う。
また、ウケる記事のために、
「女クマ撃ち」という肩書き目当てで、
チアキに近づいたカズキが、
どう変化していくかも気になるところだ。
▼『クマ撃ちの女』第1話 くらげバンチ
https://kuragebunch.com/episode/10834108156642874621
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