
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
ストーリー
幼い頃にマンションのベランダから転落し、
奇跡的に助かった少年・河辻悠(かわつじ はるか)。
その時に強烈な鼓動と共に「生の実感」を覚えてしまい、
運動やホラーなど心拍への刺激を求めるようになるが、
どれも程遠いものばかり。
そんな悠だったが、高校で自分の運命を変える少女と出会い――…!?
以上、公式サイトからの引用です。
見どころ
悠が出会った戸叶希咲(とかの きさき)は、
才色兼備で孤高の存在を絵に描いたような少女。
ところが彼女は異常なまでの依存体質で、
誰かの「一番」になることに強くこだわるという性格をしています。
相手のことを誰よりも深く知りたいと考えているため、
教えてもいない自宅の場所を特定していたり、
部屋へ盗聴器ををしかけてしまうなど、
ストーカー行為を行なってしまうという危険な面があります。
一般的な感覚であれば距離を取ってしまうようなヒロインですが、
河辻悠は戸叶希咲のことを受け入れてしまいます。
彼は幼少期の体験によりドキドキすることでしか、
生きている実感を得られなくなっていたため、
彼女がもたらすスリルに惹かれてしまったというわけです。
本作は狂気的なヒロインの標的になりつつも、
そんな相手に期待をしてしまっている主人公の物語。
普通ではない者同士の恋愛が楽しめる作品になっています。
感想
サスペンス要素を散りばめた設定をしていますが、
シリアス一辺倒というわけではありません。
コミカルで笑える描写も度々登場しますので、
個人的にはラブコメとして楽しんでいます。
病的なヒロインに一方的に追いつめられる
という展開になると思いきや、
主人公のほうも負けず劣らずに歪んだ面があり、
2人のやり取りが駆け引きのように表現されるため、
そこに注目してほしいです。
主役2人が一般とはかけ離れた感性の持ち主のため、
感情移入するのは難しいかもしれませんが、
彼らが繰り広げる独特の恋愛模様が気になり、
目が離せなくなってしまうという魅力がある作品です。
個人的にお気に入りのキャラクターは福村倫子(ふくむら りんこ)。
彼女は河辻悠と戸叶希咲の共通の知人となりますが、
作中で最も「普通」に近い人物として描かれています。
理解できない主役2人に距離を感じていますが、
なりゆきとはいえ彼らの面倒を見たり、
協力してしまったりする人のよい面があったりもします。
面倒事に巻き込まれてしまうという、
かなり気の毒なポジションであると同時に、
ギャグのオチに使われてしまうことも多く、
本作に取っては無くてはならない
オアシス的なキャラクターだと思っています。
危険な香りのする一風変わった恋愛物語を
楽しみたいという方にオススメの、
『偏愛ハートビート』でした!
▼YouTube版はコチラ
コメント