
©餅月望・TOブックス/ティアムーン帝国物語製作委員会2023
※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。
第10話『ミーア姫、誘拐事件!』感想
世話になった猟師の家から離れて、
レムノ王国へと向かうミーアとシオンは、
道案内の男性から国の状況を説明される。
街で暴動が起きたので、反乱鎮圧のために
レムノ国王直属の部隊「金剛歩兵団」が、
差し向けられたが被害自体は出ていないらしい。
国王からの命令の中に、
「一兵も損なうことなく戦果をあげるように」という言葉があったため、
団長としてはうかつに動くことができないというのが理由。
一瞬、国王に何か考えがあってのことかと思ったが、
単に自分の自慢の兵士を失いたくないだけとのこと。
彼はアベル王子の父親のはずだが、あまり有能な統治者に見えない。
とはいえ、その命令のおかげでこう着状態に陥っているという感じだ。
一方、レムノ王国内でミーアからアベルに宛てられた手紙の
精査しているグレアムという男性が描かれる。
彼はサンクランド王国の諜報部隊、風鴉(かざがらす)の一員で、
レムノ王国の文官として潜入している、いわゆるスパイ。
グレアムのセリフから察するに、
ティアムーン帝国の破壊工作も企てていたが失敗してしまったので、
レムノ王国に革命を起こすという作戦にシフトした様子。
つまり一連の事件は、シオン王子の母国であるサンクランド王国の
諜報機関が自国の勢力を拡大するために行なったという可能性が高い。
シオン王子はその事実を把握していないのだろう。
国からの正式な命令を受けて行なっているのか、
それとも風鴉が暴走しているのかは現状では判断がつかない。
ただ、グレアムが所属しているのは「白鴉(はくあ)」と呼ばれる、
風鴉の中でも権力も与えられた特殊な部隊。
「白鴉」を作った人物がいるようなので、
真の黒幕は別にいそうな雰囲気だ。
街で馬車の手配をしようとシオンが目を離したすきに、
ミーアが革命軍の人間に誘拐されてしまう。
しかし、革命軍代表の妹を名乗る女性から助け出され、
革命を止めるために手を貸してほしいと言われる。
途中でシオンとも合流し変装して革命軍の集会場所へと向かうが、
正体がバレてしまうというところで今回は終了となる。
現状、名前しか登場していない「ジェム」という人物が怪しすぎる。
風鴉の一員という可能性が非常に高いが、
そう思わせておいて別勢力の人間という線もありそう。
前回に引き続き革命直前の国が舞台となっているので、
緊張感のあるシーンが続いてしまうのはしかたないが、
本作は笑いあっての物語だとも思っているので、
次回あたりはコミカルな展開を見せてほしい。
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