【ラブコメマンガ紹介】『モブ子の恋』真面目で誠実な男女の恋愛を描いた純愛物語！やさしい雰囲気の世界を温かい目線で見守ろう‼【ネタバレなし】

【ラブコメマンガ紹介】『モブ子の恋』真面目で誠実な男女の恋愛を描いた純愛物語！　やさしい雰囲気の世界を温かい目線で見守ろう‼【ネタバレなし】

マンガ

2023.08.232025.01.23

●作品概要

マンガ『モブ子の恋』
著者：田村茜（たむらあかね）
既刊16巻、連載中

▼YouTube版はコチラ
※内容はブログとほぼ同じなので、読むのが面倒な方はこちらを聞いてください。

●ストーリー

主人公の田中信子（たなかのぶこ）は、
地味で大人しく、目立つのが苦手という性格をしている。
そのため自己紹介をしても「モブ子」と、
聞き間違えられてしまう始末。

自分自身でもみんなの中心にいるより、
すみっこの脇役、モブでいるほうが
落ち着いてしまうほどだった。
そんな彼女にも気になる男性がいた。

バイト仲間でもあり、同い年の入江博基（いりえひろき）。
ところが、一年も同じアルバイト先で働いていながら、
彼の連絡先すら聞けずにいた。

しかし、あることがきっかけで、
信子は博基に対しての感情を自覚することになるのだった。

●作品の見どころ

田中さんが自分の恋心を自覚して、
戸惑いつつも成長していく様子に注目。
彼女は自分を大人しいと評するぐらいなので、
他人とのコミュニケーションを苦手としています。
しかし、真面目で一生懸命という面もあるため、
不器用なりに頑張っている姿が非常に好感が持てます。

お相手となる入江くんも、
真面目で穏やかな理系男子といった感じなので、
田中さんのことが気になってるにも関わらず、
ストレートに気持ちを表現できるタイプではありません。

そんな2人なので恋愛の進展具合に関しては
非常にゆっくりとしたペースで進んでいきますが、
その分、登場人物の心情をていねいに描写している点が特徴です。

入江くんに対して想いを募らせる
田中さんの心情を描いたかと思えば、
入江くん視点で田中さんについてどう思っているのか？
というエピソードを見せてくれたりもするわけです。

１回のデートを２人の視点それぞれで描写したりもします。
お互い良かれと思ってしたことが裏目に出ていたり、
まったく同じ気持ちでいるにも関わらず気づかなかったりしますが、
ふたりともいたって真面目な性格をしているため、
微笑ましい気持ちになってしまいます。

物語開始当初で大学二年生という年齢を考えたら、
進展の遅いふたりとも言えますが、
巻を重ねていくごとに間違いなく距離は近づいていきます。
自分たちなりのペースでゆっくりと関係を深めていく、
田中さんと入江くんの恋の行方をぜひ見届けてください。

●感想

恋愛慣れしていない男女の関係を描いているため、
もどかしい気持ちになったりもしますが、
主役のふたりが不器用だけど誠実という性格をしており、
つい温かい気持ちで見守ってしまいます。

恋する乙女の変化が見事に表現されており、
引っ込み思案だった田中さんが、
巻を増すごとにキレイになっていく様子も見逃せません。

ファッションに気を使うようになったり、
表情なども活き活きと魅力的になっていきます。
改めて恋愛というのは人を成長させる要素に
なり得るのだなとしみじみ感じてしまいました。

このカップルの特徴として、
話し合う描写が非常に多いという点が挙げられます。

相手に誤解されていそうなら誤解を解く、
何か悩んでいそうならそれを聞いてあげようとする、
自分の希望や不安はきちんと伝える、
口が上手いタイプではないふたりが、
一生懸命にコミュニケーションと取ろうとする様子は、
見ているこっちが恥ずかしくなるような時もありますが、
おじさんとしてもなかなかグッとくるものがありました。

主役ふたりの誠実さについては今まで触れてきましたが、
実はサブキャラクターたちもイイ人ばかりという点も
押さえておきたい部分です。

職場の同僚や大学の友達、バイト先のお客様など、
年上から年下にいたるまで、
常識的でやさしい性格の登場人物が多く、
安心して読める作品です。

普通の恋愛モノでは意中の相手をめぐる
ライバルのような存在が登場したりしますが、
本作ではそういった展開にならず、
いわゆる「恋の鞘当て」を繰り広げるような
シチュエーションにはなりません。

ほかの恋愛作品では物足りなく感じるかもしれませんが、
本作の場合は全体的にやさしい空気が流れており、
田中さんと入江くんの一歩ずつ進んでいくような
ゆったりとした雰囲気に合っているため、
個人的にはこの方針で正解だと思っています。

ちなみにサブキャラクターの掘り下げもされたりしますが、
本筋から外れすぎない程度にとどめており
そのバランスも結構好みでした。