日常のささいな出来事までていねいに描写したノベルゲーム!
サウンドノベルの手法を取り入れた「ビジュアルノベル」というジャンルを確立した、恋愛ゲームのリメイク版を実況プレイしてみた。
シリーズとしては「1997年5月23日」に成人向けのパソコン版が発売され、「1999年3月25日」にアダルト要素を排した、PlayStation版の移植が発売された。本作はその、PlayStation版のリメイク版になる。
細かい部分で改善が加えられているが、代表的なのはキャストを2通りから選ぶことができるところだろう。新キャストで収録したバージョン「モダン」に加えて、オリジナルであるPlayStation版「レガシー」も選択可能。さらに元々音声の入っていなかった主人公「藤田 浩之(ふじた ひろゆき)」も、心情以外のセリフはすべてしゃべってくれるようになった。
なお「モダン」と「レガシー」を一括で変更することはもちろん、キャラクターごとに設定できるので、新旧キャストが入り混じった形でプレイするこもできる。
パソコン版は未プレイだった上に、PlayStation版が発売した当時の私はセガサターン派。しかし、本作の熱狂的なファンである友人が本体ごと貸してくれたため、発売からしばらく経過してからプレイして、一応全ヒロインを攻略した記憶はある。
20年以上ぶりのプレイというわけで、ヒロインの細かいエピソードは覚えていない。ほぼ初見のような感覚で始めて、リメイク版も全ヒロイン攻略を完了したので、改めて感想を述べていきたい。
全体的な感想
気になる評価から先に申し上げておくと、個人的な思い出補正込みだと「80点」。本作を初見としてシビアに評価すると「60点」といったところだろうか。ただし、同梱されたアニメも評価に入れると「100点」をつけてもいいぐらいは満足できた。
それぞれの点数について、詳しく述べていこうと思う。
まず、私が購入したのはNintendo Switchのパッケージ版で「店舗特典無し」の「プレミアムエディション」。コレはゲーム本編に加えて、TVアニメ『ToHeart』Blu-ray Disc(全13話・2枚組)同梱されているというもの。
こちらのアニメはかなりデキがイイにもかかわらず、現状では主な動画配信サイトで見ることができない。DVDをレンタルするぐらいしか視聴する方法がなかったため、特典としてつけてくれたのは本当にありがたかった。ぶっちゃけた話、半分ぐらいはコレ目当てで購入したまである。たぶん同世代で購入した方は、同様のスタンスではないだろうか?
私は追加シナリオ(税込み550円)も購入しているので、本作に対してそれなりの出費をしているが、全体的な満足度で言えばかなり高く、支払った金額も惜しくないと感じたため「100点」になったという感じだ。
ゲーム本編のみの感想
次に思い出補正込みという点について。
やはりキャストを2種類から選べる点が大きい。昔からのファンも大事にしようという、スタッフの意図やこだわりが感じられる部分だ。
若かりし頃に好きだった声優さんたちの演技を今になって聞けたのは、非常に感慨深く懐かしさに浸ることができたし、それでいて新キャストの方々も違和感無く演じられていた点が好印象。声が似ているというよりは、キャラクターの本質をつかんだ芝居で非常に素晴らしかったと思う。
ゲーム本編だけを購入しようとすれば、ダウンロード版で「税込み3080円」。リメイク版として考えても破格の安さ。コスパ的に考えても「80点」は高過ぎる評価とは言えないハズ。
ただ、それ以外の部分で疑問に感じてしまうところがあり、最終的に減点せざるを得なかったという具合だ。
はたして3D化は必要だったのか?
個人的に最も気になったのは、キャラクターを「2D」ではなく「3D」で表現したこと。
もちろん各ヒロインの特徴はとらえていたし、リアルタイムで表情が変わっていく様子は魅力的ではあったが、お世辞にもハイクオリティとは言い難く、3Dならではの良さが引き出せていたかは疑問。
主人公である浩之を動かすパートもあるが、学校内に限定される上に探索ができるわけでもなく、ヒロイン以外と交流できるわけでもないため、何のためにこのパートを入れたのかもよくわからなかった。
もしかしたら企画当初は浩之を自由に動かして、オープンワールドのような形で彼の日常を体験させようと考えていたのかもしれない。しかし、ゲームの製作途中で実現不可能なことが判明し、とりあえず完成していた部分だけ収録してみたという顛末ではないだろうか?
マップ上で「2D」で描かれたヒロインたちはフツーにかわいかったので、全編「2D」でもよかったのではないかと思ったが、新たにイラストを描き下ろすほうが予算的にも時間的にも厳しく、「3D」で製作を続けるほうが現実的だったという可能性もある。
色々と事情があるのかもしれないが、3D周りが中途半端に感じてしまったので、シビアに評価した場合は「60点」という結論だ。
ただ、最初に申し上げた通り、諸々込みで考えた場合「1万円以上」出しても惜しくないほど満足感は得られたので、リメイク版を作ろうと決断を下してくれた「アクアプラス」には、心から感謝したいと思う。




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